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看護教育 Vol.58 No.3
特集 学生のセクシュアリティに向き合う
医学書院
電子版ISSN 1882-1391
電子版発売日 2017年8月7日
ページ数 88
判型 B5
印刷版ISSN 0047-1895
印刷版発行年月 2017年2月
書籍・雑誌概要
特集 学生のセクシュアリティに向き合う -
目次
看護は,あまたの職業のなかでもとりわけ身体接触の多い仕事です。他人の体にさわるとき,たとえそれが仕事であっても,「恥ずかしさ」は消えるわけではありません。ですので,本来であれば,その「恥ずかしさ」をふまえたうえでの基礎教育が求められますが,現実的にはどうでしょうか?患者さんの「恥ずかしさ」には視線が向けられていても,学生自身の「恥ずかしさ」は後回しにされていないでしょうか?「『恥ずかしさ』を考慮して,接触がある演習は同性同士で行うようにしている」と聞くことが多いですが,それでは現場に出ていきなり未経験の身体接触をするということになりますし,性的マイノリティの潜在可能性を考えれば,単純な“同性同士”ということ自体が意味をなしません。配慮しているようで,実は学生のセクシュアリティについて考えることをスルーしているとも考えられます。
今回の特集では,身体接触と「恥ずかしさ」という視点を例に,いまだ十分考慮されているとは言えない学生のセクシュアリティに配慮した教育の方策について,特にマイノリティ側からの意見を中心に提案します。セクシュアリティそのものについてですら,まだまだ正面きって論じられることが少ないですが,患者さんのことを考えるその前に,教員は学生のことを考えていただきたいと思います。基礎教育の段階で自らのセクシュアリティに向き合う経験は,必ず臨床現場で役に立つはずなのですから。
■看護教員はセクシュアリティをどこまで意識しているか
齋藤 益子
■教育においてセクシュアリティをどう実感すべきか
身体接触の視点から考える
松崎 政代
■現場に出る前にセクシュアリティの視点の確立を
平田 研人
■性的マイノリティの存在を意識した看護教育を望む
浅沼 智也
■医療体制そのものに性の多様性をもたせよう!
意識改革より制度改革を
沼崎 一郎
■特別記事
授業におけるジェンダーを考えていますか?
身体を介する授業を例として
松村 悠実子
古い記事を読み解き,未来へつなぐ
連載「看護教育 継往開来!」(4月号より開始)でめざすこと
江藤 裕之
■特別寄稿
2年課程通信制学校養成所入学要件改正について
厚生労働省医政局看護課から
大屋 麻衣子/佐山 理絵
■Scramble Zone
看護専任教員の教育力の向上のためにできること
東京都立看護専門学校の試み
松原 定雄
●学生なら誰でも知っている 看護コトバのダイバーシティ・3
個別性
木村 映里
●優れた“わざ”をどう伝えるか 技術の「背後にある意味」を考える・3
ふれる-境界線を越える マッサージ
阿保 順子
●「配慮が必要な学生」の学びにつなげる対応
臨地実習における教育上の調整を考える・3
コミュニケーションが難しい学生への対応
小川 純子
●東西南北! 学生募集旅日誌・9
大阪への日帰り旅で,看護の魅力を伝えにいく!
高塚 由香里
●だから私はこう書いた 系看著者のフィロソフィー・7(最終回)
「精神看護学 精神看護の基礎」「同 精神看護の展開」
卒後も看護師を支え続ける,生き延びていくための教科書
武井 麻子