Clinical Engineering 32巻4号 (2021年3月)

特集 気道クリアランス─スムーズな人工呼吸管理のために─

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本稿では,排痰の生理学,すなわち,咳嗽,線毛運動,気流(換気)について概説し,現在行われている気道クリアランス法について示した.また,人工呼吸中の気道クリアランスに必要な流量,リクルートメント,呼気胸郭圧迫法(スクイージング),PEEP-ZEEP法について概説した.さらに,気道クリアランス法の選択基準についてまとめた.

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効率よく気道クリアランスを実施するためには,フィジカルアセスメントによってあらかじめ痰の貯留部位を明確にする必要がある.呼吸理学療法における徒手的な排痰手技の効果に関するエビデンスは明確ではないが,適切に実施することで得られる臨床的効果は多い.

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カフアシストE70は,咳嗽力が低下した患者の気道に陽圧を加え,その後迅速に陰圧に切り替えることによって痰の除去を補助する装置である.神経筋疾患や脊髄損傷の患者に対する使用実績に加えて,気道クリアランスが問題となる集中治療領域においても本装置の有用性が示されてきている.

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IPV療法は,肺内パーカッション換気,高頻度陽圧換気,エアロゾル吸入の機能をもつ治療型ベンチレータで行う療法である.IPV®は,特に換気の改善および高い排痰補助機能をもつ高頻度人工呼吸器である.

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RTXレスピレータ(BCV)は,呼吸不全の患者の換気と排痰の補助をする体外式人工呼吸器である.患者の胸腹部にキュイラスという胸当てを装着し,キュイラス内を1分間に6~1200サイクルで陽圧と陰圧にすることで,生理的な呼吸補助,または排痰補助を施行することができる.

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数ある排痰装置のなかで,高頻度胸壁振動装置は非侵襲的で容易に装着でき,気道クリアランスを促す効果があるとされている.本稿では,当院におけるスマートベスト®〔(株)東機貿〕を用いた使用経験を報告する.

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気道クリアランス法には,徒手による咳介助や呼吸筋トレーニングをはじめ,機器を用いた排痰補助などさまざまな方法がある.排痰の目的や効果,また,機器を用いる場合にはそれぞれの原理,機能などを理解したうえで実施することが重要と考えられる.

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加温加湿のための機器やデバイスは数多く存在するが,それぞれの能力や特徴を理解し,状況に応じて正しく選択することが重要である.また,運用の手順を確立しておくことも,適切な気道管理の実施につながる.

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ネブライザを使用した吸入療法は,霧状にした薬液や水分を吸気とともに吸入させることで,目的となる気道や気管支・肺胞などへ直接投与するための手法である.吸入療法は気道や肺への直接的な局所投与のため,経口投与や全身投与と比較した場合,薬剤が少量で済み,副作用の軽減や患部に直接的に薬剤が作用することで速効性があり,少量の投与で局所の薬液濃度を高める利点を有する1)

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去痰薬(expectorantsまたはmucolytic agents)は,呼吸器疾患など排痰困難に対して広く使われている薬剤であるが,あくまでも補助的な治療であり,喀痰を生じさせる原因疾患に対する治療が十分に行われていることが前提である.これは,呼吸器感染症に対する抗菌薬や,気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患に対する抗炎症薬や気管支拡張薬などを意味する.また,効果的な排痰を行うためには,各種の気道クリアランス手技やリハビリテーション,気道の加温・加湿が重要となってくる.以上を踏まえたうえで,去痰薬をうまく活用していきたい.

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呼吸療法において臨床工学技士に求められることは,従来の人工呼吸器の保守管理から,患者─人工呼吸器の同調性の調整や,人工呼吸器からの離脱などの治療領域に拡大しており,人工呼吸管理を行ううえで臨床工学技士が気管吸引(以下,吸引)を行う場面は少なからず存在する.他職種との連携を保ち,かつ安全に吸引を実施するために「適切な吸引方法」を理解することが重要である.また,呼吸管理において気道管理は重要なマネジメントの1つであり,痰などの分泌物が貯留すると人工呼吸器との非同調を招くおそれがあるため,速やかに吸引を行わなければならない.

執筆者紹介

本特集執筆者から一言!

連載 今,臨床工学技士が知っておきたい COVID-19 up to date

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重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2型による感染症(COVID-19)を起因とした急性腎障害(COVID-19 AKI)では,持続的腎代替療法(CRRT)が施行される.しかし,COVID-19 AKIでは高度に凝固機能が亢進しているため,CRRTはfilter life-timeを中心に施行条件を設定する必要がある.同時に,病因物質であるサイトカインをCRRTで効率的に除去するためには,高濾過流量や吸着膜を必要とする.この場合,filter life-timeが短縮するため,臨床工学技士は病態のみならずCRRTにおけるメリット,デメリットなどを総合的に考慮し,条件設定を行う必要がある.本稿では,COVID-19 AKIにおけるCRRTについて,filter life-timeとサイトカインクリアランスの側面からアプローチする.

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Clinical Engineering
32巻4号 (2021年3月)
電子版ISSN:2432-1265 印刷版ISSN:0916-460X 学研メディカル秀潤社

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