検査と技術 47巻9号 (2019年9月)

増刊号 染色画像を比べて学ぶ 体腔液アトラス

はじめに 保科 ひづる
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 穿刺液検査の標準化が求められている現在.その重要性に反して,細胞像に関するアトラス集や,体腔液のデータをまとめて俯瞰することができるような資料はあまりみられません.そこで今回,筆者が勉強のために十数年前より撮り続けてきたサムソン液やメイギムザ染色の細胞写真から,重要なものを集めて一冊にまとめました.臨床検査自動化の流れの中においても,塗抹標本を作製して鏡検の必要性を判断する技師の能力,そして若手を指導する力は変わらず求められ続けます.この一冊は,その一助になるものと考えています.

 本書では,細胞数は赤血球以外の細胞全てを数えており,悪性細胞の集塊は,集塊を構成している個々の細胞を数えられる範囲で全部数えています.また細胞3分類は,好中球,リンパ球,その他の細胞を記載し,その他の細胞の詳細については,表に記すようにしています.さらに,記載している細胞は,細胞診または病理標本にて診断済みのため「悪性細胞」と表記しています.体腔液の検査結果は,用手法で測定した細胞数と塗抹標本による細胞3分類,また生化学や免疫検査と照らし合わせて,読み説くことで参考になると思います.加えて,数年前に,当検査科に体腔液検査が可能な多項目自動血球計数装置XN-1000(シスメックス社)が導入されたため,スキャッタグラムが保存できた検体は,画像スキャッタグラムを載せています.なお,サムソン液とメイギムザ染色の細胞は同一検体ですが,同じ細胞とは限らないこと,また同じ病態であっても全て同じ細胞像を呈するというわけではなく,患者の状態などで変化することをご承知置きいただき,あくまで参考としてご活用いただきたいと思います.

1章 胸水

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●患者背景と検査データ(表1)

 80歳代,男性.右胸水貯留,左肺すりガラス陰影あり.心不全,急性腎症から慢性腎臓病と診断.検体の色調から赤血球(+),混濁がみられることから細胞があると示唆される.細胞数から,漏出性が示唆された.

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●患者背景と検査データ(表1)

 50歳代,男性.既往歴としてアルコール性肝硬変,腎不全.両側に胸水がみられた.検体の外観から細胞数は低いと推定した.

胸膜炎 保科 ひづる
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●患者背景と検査データ(表1)

 50歳代,女性.数カ月前より咳,咳嗽時に左側部痛みあり.息切れ,鼻水.10日前に薬剤散布を行った.胸膜炎の疑い,胸水貯留がある.既往歴として関節痛,高血圧,糖尿病.検体の色調から赤血球混入あり,検体に混濁があることから細胞が多いと示唆される.

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●患者背景と検査データ(表1)

 60歳代,男性.来院前日に咳をすると痛みがあり,発熱し来院.肺炎による胸膜炎が疑われる.CT像では胸水,右胸膜炎,被包化がみられる.胸水は滲出性である.検体の外観から細胞の増加が推定される.

 他院にて抗菌薬を投与しており,培養検査の結果,陰性であった.好中球優位であり,細菌性胸膜炎が疑われた.境界型複雑性肺炎随伴性胸水と診断され治療を行った.

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●患者背景と検査データ(表1)

 50歳代,女性.1カ月前から咳,右胸部痛があった.胸水は滲出性である.

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●患者背景と検査データ(表1)

 70歳代,男性.数日前から悪寒,膝痛,頭痛があり,倦怠感と悪寒で受診した.咳痰があり,上気道炎として対症療法中で症状が改善しない.左上肺野から中肺野に浸潤影がある.既往歴として肺腺癌の術後,COPD(chronic obstructive pulmonary disease).検体の混濁から細胞数が多いと想定できる.

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●患者背景と検査データ(表1)

 80歳代,男性.2週間前から咳と痰があり,右肺全体の肺炎と胸水が認められた.喀痰については,抗菌薬治療中.胸水の増加により穿刺.胸水は漏出性である.既往歴として高血圧,心房細動.検体の外観から血液混入が認められる.本症例は肺炎による胸水貯留で,喀痰の治療が継続された.

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●患者背景と検査データ(表1)

 80歳代,女性.2〜3日前から咳があり,腹痛で来院した.右胸水がみられる.既往歴は脳梗塞,高血圧.

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●患者背景と検査データ(表1)

 70歳代,女性.左側腹部痛で来院.1週間前から左腹痛と背側痛があり,呼気時に痛みあり.診断は肺炎.検体の外観から細胞が多く,遠心後の検体(右)から血液の混入が推定される.

 肺炎による膿胸と判断され,抗菌薬投与をしている.

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●患者背景と検査データ(表1)

 60歳代,男性.咳,右胸部痛増強により来院.肺炎,胸膜炎の疑い.検体の外観は膿性,悪臭あり.右は遠心後の検体写真である.

 肺化膿症による膿胸.起因菌は不明だが,口腔内の影響が考えられた.

結核 保科 ひづる
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●患者背景と検査データ(表1)

 50歳代,女性.呼吸苦,湿性咳嗽で来院.白っぽい痰,夜間の咳あり.胸部X線では右肺に大量の胸水あり.原因は不明.検体の外観から細胞数が多いと推定される.

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●患者背景と検査データ(表1)

 80歳代,女性.発熱,嘔吐により来院.既往歴は結核性胸膜炎治療後.

漏斗胸術後の異物反応 保科 ひづる
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●患者背景と検査データ(表1)

 女児.20日前に漏斗胸手術を受ける.2日前から発熱,胸部痛あり.

肺癌(小細胞癌)① 保科 ひづる
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●患者背景と検査データ(表1)

 70歳代,男性.関節リウマチ,間質性肺炎,X線・CT検査にて肺異常影,咳・痰,左胸水あり.

肺癌(小細胞癌)② 保科 ひづる
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●患者背景と検査データ(表1)

 90歳代,男性.食欲不振・急性肺炎で来院.右肺胸水,右下葉腫瘤像あり.

肺癌(小細胞癌)③ 保科 ひづる
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●患者背景と検査データ(表1)

 70歳代,女性.左上葉肺癌(小細胞癌)で他院に通院していたが,呼吸苦のため当院を受診.左片側胸水貯留を認める.

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●患者背景と検査データ(表1)

 80歳代,女性.咳嗽,腹痛,嘔吐により来院.右胸水貯留が認められる.肺癌によるBSC(best supportive care)方針.

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●患者背景と検査データ(表1)

 80歳代,女性.初回化学療法変更目的に入院し,胸水貯留のため穿刺を行った.既往歴は肺腺癌,慢性心不全.検体の外観は混濁あり.

腺腔様形成を示す肺癌 保科 ひづる
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●患者背景と検査データ(表1)

 80歳代,男性.肺癌で,胸水増加のためドレナージと胸膜癒着術を施行した.検体の外観は混濁あり.

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●患者背景と検査データ(表1)

 40歳代,女性.肺癌・骨転移あり,癌性胸膜炎,癌性リンパ管症.胸水貯留・呼吸苦あり.検体の外観は混濁あり.色調から血球の混入が示唆される.

低分化肺腺癌 保科 ひづる
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●患者背景と検査データ(表1)

 70歳代,女性.低分化肺腺癌,両側癌性胸膜炎,癌性リンパ管症による胸水の増加あり.

腺扁平上皮癌 保科 ひづる
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●患者背景と検査データ(表1)

 60歳代,女性.肺癌治療のため,当院を紹介され受診.既往歴なし.

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●患者背景と検査データ(表1)

 60歳代,女性.呼吸苦,湿性咳嗽があり救急を受診.既往歴は乳癌手術.

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●患者背景と検査データ(表1)

 60歳代,女性.吐き気,食欲不振,腹痛で来院.既往歴は乳癌骨転移,胸水貯留.

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●患者背景と検査データ(表1)

 80歳代,女性.食欲不振で入院.CTにて胸水を指摘される.既往歴は乳癌.検体の外観に混濁あり.

悪性中皮腫 保科 ひづる
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●患者背景と検査データ(表1)

 80歳代,男性.2年前から胸水を指摘される.アスベスト曝露は不明.左胸水があり,胸膜肥厚ははっきりしない.既往歴はS状結腸癌手術.検体の外観は混濁あり.

舌癌 保科 ひづる
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●患者背景と検査データ(表1)

 40歳代,女性.呼吸困難,食思不振,疼痛あり.他院からの紹介で受診.舌癌術後,多発転移あり.多発肺転移,両側胸水あり.化学放射線療法中.

食道癌 保科 ひづる
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●患者背景と検査データ(表1)

 70歳代,男性.化学療法後の体力低下,食欲低下,易疲労にて入院した.食道癌の化学放射線療法中.

胃癌 保科 ひづる
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●患者背景と検査データ(表1)

 40歳代,女性.食欲不振・下痢・体重減少がある.既往歴なし.

膵癌① 保科 ひづる
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●患者背景と検査データ(表1)

 80歳代,男性.食欲不振・体重減少,ふらつきにより来院し,胸水貯留を認める.既往は,胃癌手術歴.

膵癌② 保科 ひづる
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●患者背景と検査データ(表1)

 90歳代,女性.2〜3日前から歩行困難があり,救急搬送される.CTにて上腹部腫瘤,胸水・腹水貯留が認められる.既往歴は高血圧,胃炎.

原発性滲出性リンパ腫 保科 ひづる
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●患者背景と検査データ(表1)

 80歳代,女性.既往歴は心不全,高血圧.

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●患者背景と検査データ(表1)

 70歳代,男性.圧迫骨折時の検査にて胸水貯留を認める.

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●患者背景と検査データ(表1)

 70歳代,男性.労働時息切れ,呼吸苦あり.既往歴は一過性脳虚血発作,心房細動.検体(左)は,脂質の証明のためにエーテルを添加している.

 CTにて全身リンパ腫脹を認める.生検によりB-cell lymphomaと診断される.

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●患者背景と検査データ(表1)

 70歳代,男性.右胸水貯留あり.濾胞性リンパ腫と診断され,治療中.

肉腫 保科 ひづる
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●患者背景と検査データ(表1)

 70歳代,男性.労働時呼吸苦,足のむくみあり.既往歴は,うっ血性心不全,胸部肉腫,多発肝転移.検体は血液混入がみられる.

原発不明癌 保科 ひづる
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●患者背景と検査データ(表1)

 60歳代,男性.咳嗽,呼吸苦,頻呼吸,深呼吸時の痛みで来院.左に大量の胸水貯留,無気肺あり.既往歴は糖尿病.

2章 腹水

門脈圧亢進症 保科 ひづる
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●患者背景と検査データ(表1)

 70歳代,男性.嘔吐により来院.既往歴は胆汁うっ滞型肝障害,腹水,門脈圧亢進症.

低アルブミン血症 保科 ひづる
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●患者背景と検査データ(表1)

 60歳代,男性.既往歴は慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD),血液透析(hemodialysis:HD)を導入.細胞数増加もなく,その他の細胞が多数認められることから,低アルブミン血症による腹水貯留と考える.

アルコール性肝障害 保科 ひづる
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●患者背景と検査データ(表1)

 50歳代,男性.胸腹水貯留,下腿浮腫あり.1カ月前より浮腫,数日前より食欲不振.既往歴はアルコール性肝障害.細胞は少なく,その他の細胞,組織球が主体を占め,アルコール性肝障害による腹水貯留が示唆された.

肝硬変 保科 ひづる
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●患者背景と検査データ(表1)

 80歳代,女性.両下肢の浮腫あり.精査目的で入院.既往歴はC型肝硬変,静脈瘤.利尿剤を使用中.

慢性腎不全 保科 ひづる
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●患者背景と検査データ(表1)

 60歳代,男性.既往歴は慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD).腹水濾過濃縮再静注法(cell-free and concentrated ascites reinfusion therapy:CART)導入目的で来院.慢性腎不全による腹水貯留.細胞数はわずかに多く,組織球が主体を占めている.感染は否定できる.

二次性腹膜炎 保科 ひづる
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●患者背景と検査データ(表1)

 60歳代,男性.下腹部痛のため救急搬送される.既往歴は,潰瘍性大腸炎,C型肝炎.細菌培養結果はEnterococcus faecalis,Bacillus subtilis,Escherichia coli〔ESBL(extended-spectrum β-lactamase)〕,Morganella morganii.

細菌性腹膜炎 保科 ひづる
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●患者背景と検査データ(表1)

 40歳代,男性.膵臓癌化学療法中.既往歴は膵臓癌手術,胆管炎,術後糖尿病.細菌培養結果はEnterococcus faecalisであり,細菌性腹膜炎と診断.肝膿瘍,横隔膜下膿瘍破裂あり.

特発性細菌性腹膜炎 保科 ひづる
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●患者背景と検査データ(表1)

 70歳代,女性.夕方から腹部膨満感,腹痛,嘔吐あり.既往歴は肝細胞癌.最近は3日に1回腹水穿刺実施.特発性細菌性腹膜炎と診断.

全身浮腫 保科 ひづる
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●患者背景と検査データ(表1)

 80歳代,男性.浮腫,腹水貯留,倦怠感あり.既往歴は直腸癌術後,多発肝転移,癌性腹膜炎.悪性細胞は認めず,経過観察.

十二指腸穿孔 保科 ひづる
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●患者背景と検査データ(表1)

 80歳代,女性.心窩部痛,呼吸苦にて救急搬送される.朝タール便あり.胃内視鏡検査にて,幽門前庭部に2〜3cmの穿孔あり.腹腔内に黄色混濁した腹水を多量に認めた.胃体部後壁びらんあり.状態が悪く中止終了.胃幽門から十二指腸にかけて,穿孔潰瘍,破裂,腹膜炎あり.

腹部大動脈瘤手術後 保科 ひづる
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●患者背景と検査データ(表1)

 70歳代,男性.痙攣発作にて救急搬送される.既往歴は高血圧,胸腹部大動脈瘤手術後,うっ血性心不全,尿閉.

先天性リンパ管腫 保科 ひづる
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●患者背景と検査データ(表1)

 10歳以下,女児.乳び腹水による腹部膨満感,低アルブミン血症,先天性リンパ管腫あり.先天性のため,定期的にドレナージを行い,感染の有無を確認する必要がある.

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●患者背景と検査データ(表1)

 50歳代,女性.乳癌術後化学療法中.肝・骨転移,癌性胸水あり.腹部膨満感,腹水貯留のため穿刺.

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●患者背景と検査データ(表1)

 70歳代,女性.腹部の張り,食欲不振あり.利尿剤投与と腹水穿刺を行う.既往歴は,進行性胃癌,癌性腹水.

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●患者背景と検査データ(表1)

 70歳代,男性.腹部膨満感あり.CTにて腹水増加を認める.既往歴は胃癌,腹膜播種.

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●患者背景と検査データ(表1)

 70歳代,男性.腹水貯留あり.既往歴は,進行性胃癌,多発性脳梗塞,全身状態悪化傾向.

S状結腸癌 保科 ひづる
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●患者背景と検査データ(表1)

 70歳代,男性.腹部膨満,呼吸苦があり救急搬送される.超音波検査にて多量腹水を認める.既往歴なし.

中部胆管癌 保科 ひづる
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●患者背景と検査データ(表1)

 90歳代,女性.急な腹痛により救急搬送される.胸水・腹水貯留あり.既往歴は繰り返す閉塞性黄疸,胆囊炎,中部胆管癌.

肝門部胆管癌 保科 ひづる
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●患者背景と検査データ(表1)

 70歳代,女性.悪寒,発熱のため受診.既往歴は肝門部胆管癌(化学療法中),多発肝転移・肺転移,腹膜播種.

胆囊癌 保科 ひづる
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●患者背景と検査データ(表1)

 70歳代,女性.食欲不振,腹部膨満感,呼吸苦あり.腹水貯留がみられる.既往歴は胆囊癌(化学療法中).

膵癌 保科 ひづる
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●患者背景と検査データ(表1)

 90歳代,女性.食欲低下,嘔吐にて救急搬送される.腹部膨満感あり.既往歴は心不全,胃潰瘍.膵癌による癌性腹水と診断.

膵体部癌 保科 ひづる
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●患者背景と検査データ(表1)

 80歳代,男性.1週間前から腹部膨満感あり.腹水貯留がみられる.既往歴は両側尿管狭窄,膵体部癌化学療法フォロー中.膵体部癌による癌性腹水と診断.

卵巣癌 保科 ひづる
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●患者背景と検査データ(表1)

 60歳代,女性.緩和ケアを紹介され来院.既往歴は卵巣腫瘍,腹膜播種.

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●患者背景と検査データ(表1)

 70歳代,女性.便秘,腹部膨満感あり.CTにて腹水貯留,腸間膜肥厚,両側付属器腫大が認められ精査.

卵巣線維腫 保科 ひづる
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●患者背景と検査データ(表1)

 50歳代,女性.10日前より腹部の張り感あり.下腹部腫瘤,腹水のため当院を紹介され,受診.既往歴は,30年前に卵巣囊腫にて片側摘出.

リンパ腫 保科 ひづる
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●患者背景と検査データ(表1)

 80歳代,男性.下肢の浮腫増悪,腹部膨満感あり.既往歴は,びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(diffuse large B-cell lymphoma:DLBCL)(化学療法中),無症候性心筋症.

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●患者背景と検査データ(表1)

 60歳代,男性.腹部膨満あり.食欲不振,体動困難にて救急搬送される.既往歴なし.

腹膜偽粘液腫 保科 ひづる
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●患者背景と検査データ(表1)

 80歳代,女性.熱発・胆囊炎が疑われ当院へ紹介され受診.既往歴として脳出血後遺症.検体は粘稠性が高くゼリー状のため細胞数・分類は参考値である.好中球はわずかで,リンパ球もほとんどみられない.

3章 心囊液

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●患者背景と検査データ(表1)

 70歳代,男性.1週間前から呼吸困難,息切れが著明のため,検査を行ったところ心タンポナーデと診断.原因は不明.緊急で心囊ドレナージを行った.検体は血性のためHbなどの測定が望まれる.

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●患者背景と検査データ(表1)

 80歳代,女性.半年前に大動脈解離手術を行った.呼吸時にヒューヒューと音が鳴り,かすれ声になるが,自覚症状なし.大動脈再解離の所見があり,検査を行った結果,心タンポナーデを認め,緊急で心囊穿刺,心囊ドレナージを施行した.検体は遠心後の上清であり,茶褐色で溶血が示唆される.

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●患者背景と検査データ(表1)

 60歳代,男性.トイレにて強くいきんだとき,突然の胸痛が起こり来院.大動脈解離(−),悪性腫瘍(−),心筋梗塞(−)のため原因不明の心タンポナーデが疑われる.

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●患者背景と検査データ(表1)

 60歳代,女性.乳癌の罹患歴あり.全身の痛み,呼吸苦のため救急を受診.検体は血性のためHb測定が必要となる.

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●患者背景と検査データ(表1)

 70歳代,女性.呼吸が苦しいため,救急搬送されてきた.腹膜癌もしくは卵巣癌腹膜播種にて現在,化学療法中.検体は血性であり,Hb測定が必要となる.

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●患者背景と検査データ(表1)

 70歳代,女性.既往歴として肺腺癌.現在他院にて放射線治療中.浮腫,心不全が出現.主訴は呼吸困難,倦怠感,食欲低下.CTにて癌性胸膜炎,癌性心膜炎の疑いがあり,当院を紹介され受診.検体は血性のためHb測定が必要となる.

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●患者背景と検査データ(表1)

 70歳代,男性.心不全で現在通院中.2〜3日前から労作時に呼吸が苦しいとの訴えあり.夜間に呼吸困難が増悪し,救急で来院.CT検査にて心囊液貯留がみられたため,心囊ドレナージを施行した.検体(左)は原液で血性を示し,検体(右)は遠心後である.

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●患者背景と検査データ(表1)

 80歳代,男性.5日前より右手痛,その翌日に足痛あり.前日は歩行できて,他院にて右膝に注射を施行したが受診当日は立てなかった.右肘,右手首,両膝が腫脹し,痛みもあったため,車いすにて受診.既往歴は痛風発作,高尿酸血症,肝機能障害.検体(左)は原液で,検体(右)は遠心後である.

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●患者背景と検査データ(表1)

 70歳代,女性.痛風結節疑い.2カ月前に右指5本を打撲し,腫脹,消退を繰り返す.腫脹が強くなり,他院より紹介となった.既往歴は,高尿酸血症,糖尿病.検体は指切開術部液である.血中尿酸値は6.9mg/dLであった.

偽痛風・化膿性関節炎 保科 ひづる
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●患者背景と検査データ(表1)

 80歳代,女性.右膝痛にて歩行できず,救急を受診.右膝熱感あり.関節液穿刺を施行した.

化膿性関節炎 保科 ひづる
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●患者背景と検査データ(表1)

 20歳代,男性.2日前から寒気と全身の痛みあり.その後,左下肢疼痛に限局.左下肢蜂窩織炎,左膝化膿性関節炎あり.既往歴に左下肢交通事故後後遺症あり.検体の細胞内に細菌の貪食あり.細胞は変性が多い.脂肪球あり.

 細菌同定のため培養検査を行った結果,血液からはstreptococcus pyogenes,ドレーンした関節液からはStaphylococcus capitisがそれぞれ検出された.

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●患者背景と検査データ(表1)

 70歳代,男性.右膝関節痛あり.MRIにて関節周囲に筋炎所見があり,他院より紹介され来院.既往歴として,皮膚筋炎,抗ARS(aminoacyl tRNA synthetase)抗体症候群,間質性肺炎,ステロイド糖尿病.検体は粘性が強く,崩壊状の細胞が多数みられ分類は参考値とした.

骨折 保科 ひづる
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●患者背景と検査データ(表1)

 90歳代,女性.左膝関節腫脹にて偽痛風疑いで総合診療科を受診.10日後,右膝痛の訴えにて再度総合診療科を受診.右大腿骨遠位端骨折と診断.既往歴は,慢性偽痛風疑いによる多関節炎,肺高血圧,高血圧症.

血腫 保科 ひづる
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●患者背景と検査データ(表1)

 10歳代,男性.既往歴として前十字靭帯を損傷し,再建手術を行った.術後2日で疼痛あり,その後発熱.

関節リウマチ 保科 ひづる
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●患者背景と検査データ(表1)

 80歳代,女性.3日前から右膝と右小指腫れあり.右膝関節穿刺を施行.既往歴は,関節リウマチ,骨粗鬆症,腰痛,高血圧.

肘滑液包炎 保科 ひづる
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●患者背景と検査データ(表1)

 30歳代,男性.肘に違和感あり.次第に腫れと痛みが出現し,救急外来を受診.外傷なし.

変形性膝関節症 保科 ひづる
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●患者背景と検査データ(表1)

 50歳代,男性.左膝痛で夜間に眠れないくらいの痛みあり.発赤腫脹は軽度.

5章 気管支肺胞洗浄液(BALF)

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 80歳代,男性.縦隔リンパ節腫大.悪性リンパ腫疑いの精査目的で気管支肺胞洗浄液検査を施行.

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●患者背景と検査データ(表1)

 80歳代,男性.既往歴はSLE(systemic lupus erythematosus).インフルエンザ感染症後に両側肺炎,末梢肺野のすりガラス影多発.検体は淡赤色を呈しており,血液混入が示唆される.

好酸球性肺炎 保科 ひづる
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●患者背景と検査データ(表1)

 90歳代,男性.主訴は風邪症状,呼吸困難.薬服用によるアレルギー性肺炎.

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●患者背景と検査データ

 80歳代,男性.肺癌治療中.放射線肺臓炎疑い.細胞数は21(/mL).

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●患者背景と検査データ(表1)

 60歳代,男性.他院にて食道癌の化学療法,放射線療法を施行.食事摂取不良にて当院へ入院.発熱があり,CT検査後すりガラス陰影あり.気管支肺胞洗浄液検査を施行.

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●患者背景と検査データ(表1)

 70歳代,女性.主訴は発熱.化学療法を施行中.増悪傾向の両肺すりガラス陰影を認める.

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 70歳代,男性.既往歴に心不全.アミオダロン投与による肺炎.慢性薬物誘発性間質性肺障害の憎悪.

結核 保科 ひづる
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●患者背景と検査データ(表1)

 80歳代,男性.既往歴は,リンパ腫.吐き気,食欲不振にて受診.口唇に末梢チアノーゼあり.胸部X線画像より胸水を認める.気管支肺胞洗浄検査を施行.

 本症例では結核が疑われたが,リンパ球が多いことだけでは判断できない.よって,結核の確定診断を行うために検査を追加した.気管支肺胞洗浄検査の結果,ラングハンス巨細胞や類上皮細胞などが同時に出現して,判断の補助となることはあるが,遭遇しない場合が多い.また,結核については感染対策が重要である.

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●患者背景と検査データ(表1)

 70歳代,男性.大腸癌にて抗癌剤治療中.発熱により入院し,びまん性すりガラス陰影が認められ,薬剤性肺障害が疑われた.

6章 CAPD

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●CAPD

 CAPD(continuous ambulatory peritoneal dialysis)とは腹腔内に腹膜灌流カテーテルを介して透析液を注入し,一定時間貯留させる間に腹膜を通して血液中の老廃物や余分な水分を除去する透析法である.透析液は1日に4回程度交換し,24時間連続して行われる.特徴として体液や血圧の変動が少ないため,体の負担が軽いこと,食事制限が緩和されること,透析を開始してからも腎機能が保持されること,時間的拘束が少ないことが挙げられる.

細菌性腹膜炎 保科 ひづる
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●患者背景と検査データ(表1)

 50歳代,男性.現病歴は慢性腎臓病,糖尿病性腎症.腹痛あり.検体は白濁している.培養の結果,Enterobacter aerogenesが検出された.

好酸球性腹膜炎 保科 ひづる
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●患者背景と検査データ(表1)

 60歳代,女性.腹膜透析外来の初回.既往歴に好酸球性腸炎.

卵巣癌による癌性腹膜炎 保科 ひづる
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●CART

 腹水濾過濃縮再静注法(cell-free and concentrated ascites reinfusion therapy:CART)とは腹水を濾過し,細胞や水分などを取り除き,アルブミンなどが濃縮した腹水を体に戻す治療である.

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●患者背景と検査データ(表1)

 70歳代,男性.血液透析導入.既往歴は糖尿病腎症,肝硬変.腹水濾過濃縮再静注法(cell-free and concentrated ascites reinfusion therapy:CART)を施行.

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目次

基本情報

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検査と技術
47巻9号 (2019年9月)
電子版ISSN:1882-1375 印刷版ISSN:0301-2611 医学書院

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