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特集 悲嘆の精神療法
行動活性化療法
平山 貴敏
1
,
小川 祐子
2
,
浅井 真理子
3
,
鈴木 伸一
4
1こころサポートクリニック心療内科・精神科・腫瘍精神科
2国立がん研究センター中央病院精神腫瘍科
3帝京大学薬学部薬学教育推進センター
4早稲田大学人間科学学術院
pp.352-356
発行日 2026年6月5日
Published Date 2026/6/5
DOI https://doi.org/10.69291/pt52030352
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Ⅰ 行動活性化療法とは
行動活性化療法は,これまでの精神療法が焦点を当てていたうつ病の病理やネガティブな思考や感情を扱うのではなく,その人が本来持ち合わせている健康的な側面や人的・社会的資源の再活用を通して気分の改善と生活の再構築をねらいとした精神療法である(鈴木,2012)。行動活性化療法では,反芻を含む抑うつの維持要因について機能分析を行い,どのような状況でどのような行動が生じ,その結果として気分や生活にどのような影響が生じているのかを明確化する。その過程を通じて,患者が行動と気分とのつながりを体験的に学び,自分自身の行動が短期的・長期的にどのような機能を果たしているのかに気づき,より適応的な対処行動を選択できるようになることを目指している。
具体的な治療プロセスとしては,①患者の行動抑制や嫌悪体験からの回避を引き起こしている生活場面における文脈に着目し,②回避行動によって維持されている悪循環を明確化したうえでそれを断ち切り,③患者が本来望んでいる目的や価値に沿った行動を意図的に促進・拡充することによって,④行動と状況との関係性,すなわち行動の随伴性を再認識し,自らの行動が望ましい結果に結びついていくという効力感を回復していくことを促していく(鈴木,2012)。

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