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特集 精神療法の技法と理論—とくに人間関係と治癒像をめぐって
第3回日本精神病理・精神療法学会シンポジウム
集団精神療法の技法と理論—とくに人間関係と治癒像を中心に
Some Comments on Group Psychotherapy: Centered around Interpersonal Relationship and the Goal of Therapy
池田 由子
1
Yoshiko Ikeda
1
1国立精神衛生研究所
1National Institute of Mental Health
pp.465-470
発行日 1967年7月15日
Published Date 1967/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201215
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Ⅰ.まえがき
集団精神療法の理論と技法を短く一括して述べることは,なかなかむずかしいことのように思われます。集団をもちいて人の心や体の病気を癒すことは,はるか昔から多くの社会で行なわれていたのですが,治療のこの方法が近代精神医学における治療としてあゆみを始めたのは比較的最近のことで,臨床的体験や技術が先行して,理論が後を追つている感があります。また集団精神療法として一括されているもののなかにも,媒体も方法もいろいろなものがあり,画一的なものではありません。たとえばCorsiniおよびRosenbergの集めたこの治療の機制に関する300あまりの文献のなかには,治療者によつて合計200近くの機制が記述され,集団精神療法の発展に貢献した学者としてあげられている人びとのなかには,Freud,Adlerを初めとしてネオ・フロイド派から実存分析の人びとまではいつており,正常人の実験小集団のグループダイナミックスを研究している社会科学の人びとまでも含まれております。以上のようなわけで,とても全体の状況をまとめて述べることはできませんが,私なりにこれらの主題について,またわが国の集団精神療法について感じておりますことを述べてみたいと思います。
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