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論評
介護保険支出のコントロールと事業者の「進化」:
ファイナンシャル・エンジニアリング
須田 木綿子
1
1東洋大学名誉教授
pp.14-20
発行日 2026年6月1日
Published Date 2026/6/1
DOI https://doi.org/10.57527/JUNPO3001004
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要旨 介護保険予算の逼迫が深刻化するなかで、限られた介護報酬でサービスを提供する民間事業者の存在は不可欠である。しかし、民間事業者は本来的に、採算性や競争力の向上・強化を志向する存在である。介護保険事業についても、それを通じて得られる行政資金を有効に獲得するために、ファイナンシャル・エンジニアリングと称される組織テクノロジーを発達させている。本稿では、通所・訪問介護事業所を2005年から2025年にかけて追跡したパネル調査をもとに、新たに設立された事業所ほどファイナンシャル・エンジニアリングを駆使していることを示す。このような民間事業者の「進化」は、介護保険支出のコントロールの困難性を助長するとともに、利用者にとってのリスク構造をも変える。ガバナンスの刷新が求められており、官民の利害を調整しつつ、事業者間には協働を促して全体を方向づけるための方策が求められる。

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