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はじめに
アナフィラキシーは全身性の重篤な過敏反応であり,通常は急速に発現進行する.アナフィラキシーの機序にはIgEが関与する機序とIgEが関与しない機序があり,最も頻度の高い機序はIgE依存性即時型アレルギーで,食物,昆虫(ハチ,アリ)の毒,薬剤が誘因となることが多い.薬剤は,IgEが関与しない免疫学的機序やマスト細胞を直接活性化することによってもアナフィラキシーの誘因となりうる.アナフィラキシーの症状は,皮膚,粘膜,気道・呼吸器,循環器,消化器などにさまざまな組み合わせで現れ,死に至ることもある.2015年2月から2017年10月に実施された日本アレルギー学会認定教育研修施設におけるアナフィラキシー症例の集積調査(767名)では,誘因として最も多いのは食物(68.1%)で,次いで薬剤(11.6%),食物依存性運動誘発アナフィラキシーfood-dependent exercise-induced anaphylaxis(FDEIA)(5.2%),昆虫刺傷(4.4%)であった1).一方で,2011年から2020年までの厚生労働省の人口動態統計では,アナフィラキシーショックによる死亡数は薬剤によるものが最も多く,次いでハチ毒,食物によるものであった.この原因としては,アレルゲンとの接触から呼吸停止または心停止までの時間(中央値)が薬剤(5分)で最も早く,次いでハチ毒(15分),食物(30分)であるためと考えられる2).また,成人の最大23%,小児の最大11%のアナフィラキシーに二相性反応が発生するとされ,その約半数は最初の反応後6~12時間以内に出現するとされる1).初期対応のアドレナリン投与の遅れ(発症から30分以上)は二相性反応の出現に関連すると報告されており,われわれ臨床医には迅速な診断と迅速な対応が求められる.

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