Japanese
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TOPICS
食欲不振時の臨床推論─「食べられない」を低栄養だけで終わらせない─
松本 朋弘
1
1上野原市立病院
キーワード:
Patient Journey
,
Trajectory Curve
,
GLIM
,
Meals on Wheels
,
TLT
Keyword:
Patient Journey
,
Trajectory Curve
,
GLIM
,
Meals on Wheels
,
TLT
pp.1048-1057
発行日 2026年9月15日
Published Date 2026/9/15
DOI https://doi.org/10.32118/cr035101048
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はじめに
食欲不振,意図しない体重減少,低栄養は臨床でしばしば重なってみえるが,同義ではない.急性期では感染,心不全,便秘・イレウス,薬剤,せん妄,内分泌・電解質異常等の可逆的病態が,慢性のフレイル,認知症,神経変性疾患,口腔・嚥下障害と重なっている.リハビリテーション職に求められるのは,摂取量が少ないという事実だけでなく,「なぜ今,食べられないのか」を時間軸と生活文脈の中で見立て,原因治療・栄養介入・活動介入・退院支援へつなげる視点である.本稿では,講演で用いたPatient Journey(ペイシェント・ジャーニー)とTrajectory Curve(疾患の軌跡)の視点を下敷きに, 食欲不振と意図しない体重減少に対する実践的な初期評価,病歴聴取のコツ,頻度の高い疾患ごとの臨床像,退院後支援までを整理する.
入院中の食欲低下は決してまれではなく,高齢者では栄養リスクや低栄養も高頻度である 1-4).しかも食欲低下そのものが低栄養,死亡,機能低下と結び付くことが示されている 2, 3).その一方で,「食べられない」を低栄養だけで説明してしまうと,急性期に治療し得る病態を見逃す.したがって診断の順番は,低栄養の有無から入るのではなく,症候(何が起きているか)→機序(なぜ食べられないか)→疾患(何が原因か)→介入(何を変えるか)で考えるのが実用的である.

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