Japanese
English
- 有料閲覧
PPV購入案内
1,243円 (1,130円+税10%) こちらは、1121ページから1127ページの文献です。購入には医書.jp本会員登録が必要です。
会員登録完了後に改めて上記「購入サイトへ」を選択してください。
または「購入サイトへ」選択後に「購入ログイン」、「新規会員登録」の順に進んでください。
会員登録について詳しくはをご確認ください。
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
薬剤耐性菌感染症に対する新たな治療選択肢として,ファージ療法医薬品(PTMP)の開発が欧州および米国を中心に活発化している.本稿では,日本,欧州,米国におけるPTMPの法規制および関連指針の整備状況を包括的に整理する.欧州では欧州医薬品品質委員会(EDQM)が,2025年1月に欧州薬局方(Ph.Eur.)へPTMPに関する一般章「ファージ療法用医薬品(5.31)」を新設し,宿主細菌バンクおよびファージバンクの規格,製造工程,有効成分ならびに医薬品の品質枠組みを提示した.また欧州医薬品庁(EMA)は,販売承認申請を想定した詳細な品質に関する指針を策定中であり,医薬品規制調和国際会議(ICH)の共通技術文書(eCTD)に準拠した品質要求事項の体系化を進めている.米国ではPTMPに特化した指針は存在しないものの,生菌バイオ医薬品(LBP)に関する2016年の米国食品医薬品局(FDA)の指針が,PTMP開発における主要な参照文書として活用されている.欧米いずれにおいてもPTMPは生物学的製剤として位置づけられ,適正製造規範(GMP)への準拠が求められる.一方,ファージの生物学的特性をふまえたリスクベースの非臨床試験の合理化が認められている.個別化医療や人道的使用制度に関しては,ベルギーの「Magistral Phage戦略」,フランスの「人道的処方の枠組み(CPC)」,米国の「Expanded Access IND(拡大アクセスIND)制度」など,各国で異なる制度的対応が進展している.一方,日本ではPTMPに特化した規制枠組みはいまだ確立されておらず,臨床研究法に基づく特定臨床研究や医薬品医療機器等法に基づく治験が現行制度上の選択肢となる.しかし,PTMPが有する個別化医療としての特性や迅速な製剤調製の必要性をふまえると,既存制度の単純な適用には限界がある.今後は欧米の規制実践を参照しつつ,ファージ療法に特化した規制ガイドラインを日本において整備することが喫緊の課題である.

Copyright © 2026 Ishiyaku Publishers,Inc. All Rights Reserved.

