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特集 難聴の疑問に答える
【難聴の定義と疫学】
ヘッドホン難聴など音響性難聴を予防するには?
水足 邦雄
1
Kunio Mizutari
1
1東京女子医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野
キーワード:
音響性難聴
,
音圧レベル
,
イヤホン
,
ヘッドホン
Keyword:
音響性難聴
,
音圧レベル
,
イヤホン
,
ヘッドホン
pp.977-979
発行日 2026年9月1日
Published Date 2026/9/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000002276
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はじめに
音を受容する蝸牛は空気の振動エネルギーを神経活動へと変換する臓器であるが,強い音圧の音を受容した場合には強い機械的衝撃に曝されることとなる。受容した圧エネルギーが蝸牛の受容限界を超えると,蝸牛組織に障害が生じ音響性聴器障害が発症する。騒音による難聴・耳鳴については,近年ミュージックプレーヤーやスマートフォンの普及による音響曝露という新しいタイプの騒音により,若年の患者数が増加している。世界保健機関(WHO)は,レクリエーション音による難聴リスクに曝されている若者が全世界で10億人規模に達する可能性を警告しており,音響性難聴はもはや一部の職業性疾患ではなく,社会全体で取り組むべき公衆衛生上の課題となっている1)。残念ながら現在まで慢性感音難聴に対する有効な治療法は存在しない。それは,哺乳類の蝸牛有毛細胞やらせん神経節には自発的な再生能がなく,一度障害により細胞が失われてしまうとその変化は不可逆的であるからである。そのため,強大音から耳を保護することが現時点でできる唯一の対応となる。

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