Japanese
English
特集 次世代を拓く整形外科教育
Ⅲ章.手術手技教育
8.ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を用いた整形外科教育
Orthopaedic education and preoperative planning using head-mounted displays
上野 雅也
1
,
森本 忠嗣
1
M. Ueno
1
,
T. Morimoto
1
1佐賀大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Faculty of Medicine, Saga University, Saga
キーワード:
extended reality(XR)
,
orthopaedic surgery education
,
surgical simulation
Keyword:
extended reality(XR)
,
orthopaedic surgery education
,
surgical simulation
pp.584-588
発行日 2026年5月25日
Published Date 2026/5/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei77_584
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は じ め に
2020年に始まった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックは,対面参加を前提としてきた医学教育の成立条件そのものを覆した.当大学でも講義は全面的に遠隔化され,病棟実習は延期,手術見学は天井吊りカメラの映像を教室で視聴する方式へと置き換わった.とりわけ外科系では,多職種が一体となって作り出す手術室の雰囲気・空気感・緊張感に触れる機会が失われ,一過性の学習機会の縮小にとどまらず,手術に触れる機会が失われたことで,ただでさえ敬遠されがちといわれる外科を志す若手がさらに減ってしまうのではないかという危機感を強く抱いた.
筆者らはこの状況に対し,実際の手術にできるだけ近い体験を手術室外に持ち出せないかと考え,その手段としてヘッドマウントディスプレイ(head-mounted display:HMD)を用いたextended reality(XR)技術に着目した.XRは仮想現実(virtual reality:VR),拡張現実(augmented reality:AR),複合現実(mixed reality:MR)を含む概念として整理されており,VRは周囲の現実環境を遮断して完全に仮想空間に没入させるのに対し,AR/MRは現実空間にデジタル情報を重ね合わせて提示する技術である.三次元情報を没入的に共有でき,地理的制約を超えて複数人が同じ空間を体験できることから,XRはパンデミック以降,特に外科教育の分野で導入がすすんでいる1~3)(図1).

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