Japanese
English
解説
脳由来神経栄養因子(BDNF)研究の最近の進展
Recent advances in the research on BDNF
野々村 健
1
,
畠中 寛
1
Takeshi Nonomura
1
,
Hiroshi Hatanaka
1
1大阪大学蛋白質研究所生合成部門
pp.616-625
発行日 1992年12月15日
Published Date 1992/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900522
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- 1ページ目 Look Inside
この論考では,脳神経系においてその構築と維持に必須の役割を果たしている神経栄養因子と呼ばれる蛋白質を扱うことにする。この蛋白質は,神経細胞の生存と分化に大きく関与している液性因子として細胞の外から働くことが知られている。
神経成長因子(nerve growth factor;NGF)はもっとも古くから研究されてきた代表的な神経栄養因子である1,2)。NGFをはじめとする神経栄養因子の研究は,ここ数年大きな進展を見せている。その一つにNGFファミリー蛋白質としての脳由来神経栄養因子(brain-derived neurotrophic factor;BDNF),ニューロトロフィン-3(neurotrophin-3;NT-3),NT-4,NT-5の発見と,trkチロシンキナーゼファミリーがそれらの機能的受容体を構成していることの発見が挙げられる。本稿では,新展開を迎えている神経栄養因子研究の中でBDNFに焦点を当て,これまでに行われた研究経過をまとめ,脳神経科学における課題の中で果たしている役割について述べてゆきたい。

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