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特集 ガイドラインの意図を読み解く—栄養療法の実践知
Part 2 各論 CQ解説:ガイドラインの行間を読む
⓭ CQ1-4—重症患者において,標準を超えるタンパク質量(>1.2g/kg/day)を投与すべきか?
工藤 雄洋
1
Takahiro KUDO
1
1済生会横浜市東部病院 栄養部
キーワード:
高タンパク質投与
,
>1.2g/kg/day
,
オートファジー抑制
,
個別化栄養戦略
Keyword:
高タンパク質投与
,
>1.2g/kg/day
,
オートファジー抑制
,
個別化栄養戦略
pp.403-406
発行日 2026年7月1日
Published Date 2026/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.188348330180030403
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- 参考文献 Reference
クリニカルクエスチョン(CQ)が生まれた歴史的背景
重症患者の栄養療法は,従来,エネルギー投与量を中心に議論されてきたが,近年ではタンパク質投与量の重要性も強く認識されるようになった1,2)。これは,重症患者において,顕著な筋タンパク質分解と負の窒素バランス(体内で分解されるタンパク質量が合成量を上回る状態)が生じ,ICU-acquired weakness(ICU-AW)や長期的な身体機能低下,すなわち集中治療後症候群post-intensive care syndrome(PICS)の一因となることが明らかとなってきたためである。観察研究では,タンパク質投与量が多いほど死亡率や感染性合併症が低下する可能性が示唆され,「より多くのタンパク質を投与すべきではないか」という臨床的関心が高まった3〜5)。
一方で,急性期の代謝応答に関する理解も進んだ。特に重症発症初期(Day 1〜4)では,細胞レベルの恒常性維持に重要なオートファジーが活性化しており,この過程は損傷タンパク質や細胞内不要物の除去を通じて回復に寄与する6,7)。しかし,過剰な外因性栄養,とりわけアミノ酸投与は,この自食作用を抑制する可能性が動物実験やヒト研究で示唆されている8,9)。したがって,「早期から高タンパク質投与を行うことが本当に有益か」という疑問が生じた。

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