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SUMMARY
●一般社団法人日本耳科学会では,耳鼻咽喉科専門医の中で,耳科領域の診療,特に耳科手術において,高度でかつ安全な医療を国民に提供する「耳科領域の専門医」の育成を目的に,2008年10月にSubspecialty委員会を設置した。
●日本耳科学会では,耳科診療の専門医を認定する「耳科専門医制度」に関する議論は将来的な継続課題とすることとし,2012年度からは技術認定としての「耳科手術指導医」制度に焦点を絞ることにした。
●10年間にわたり学会内での議論を尽くしたのち,「耳科手術指導医制度」最終案の取りまとめが完了したのは2018年であり,同年12月の一般社団法人日本耳鼻咽喉科学会(日耳鼻)理事会において,「鼻科手術指導医制度」ともに,その制度設立の是非について初めての審議がなされた。
●その後,同理事会内で数回の審議を経て,2019年3月の日耳鼻理事会において両制度の設立が最終的に承認された。2019年5月の日耳鼻総会において日耳鼻会員への周知を行い,日本耳科学会内での制度運用の最終準備に入った。制度規則ならびに施行細則の最終確認,学会ホームページ上での申請システムの構築,申請および承認システムの整備が完了したため,予定通り2020年度から制度運用を開始した。
●本制度開始の初年度にあたる2020年度は,142名の先生に暫定指導医の資格が付与され,認可研修施設についても93施設が承認された。本制度が開始されて7年が経過し,2026年4月時点での指導医・暫定指導医数は207名,認可研修施設は137施設となっている。
●医療や社会保障の制度にかかわるさまざまな制度改革や,医学的な疾病構造上の変化もあり,また耳科手術自体にも治療パラダイムの変遷や新規治療の臨床導入が相次いでいることから,本制度の運用・管理については,今後の時代の流れに沿って制度改変にも柔軟に対応し,医療の現場に即した内容にその都度適合させていくことが求められる。
●耳科手術指導医制度の設立目的である「耳科疾患の手術に関する専門的かつ高度で安全な治療を国民に提供できる能力を有し,同時に,耳科手術を研修する若手の耳鼻咽喉科医師を指導,教育できる医師を,耳科手術指導医として認定すること」に向かって,本制度が今後よりいっそう発展することが期待されている。

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