特集 児童相談所と精神療法
児童相談所の働き方を考える
牧 真吉
1
1医療法人共生会 みどりの風 南知多病院
pp.584-588
発行日 2025年10月5日
Published Date 2025/10/5
DOI https://doi.org/10.69291/pt51050584
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はじめに
筆者は1995年から15年間名古屋市児童相談所に勤務していた。すでに遠い過去になり,新しい動きを耳にはしているが,現状を書くことはできない。常勤の弁護士が入り,警察や裁判所との連携も強化されている。施設も分園型のホームが作られ,6人の子どもに5人の職員がつくようになったと聞いているが,詳しい実態は知らない。児童相談所(児相と略す)は次々と新しい事態に対応していくのがその歴史であった。戦災孤児対策に始まり,非行対応,障害児対応,不登校対応,発達障害児対応,そして虐待対応とその中心的役割が変化してきた。障害児,不登校,発達障害児などについては他の機関が充実してくるにつれて児相の役割が相対的に減ってきた。虐待については,筆者が児相に勤務して以降,次から次へと新しい方策が上積みされているが,大きな成果を得ることができていない。この点を考察することで今回の役を果たしていきたい。

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