特集 若者を救えるか?
安全なサードプレイスとしてのSNS――規制でもなく,自己責任でもなく
新井 陽子
1
1公益社団法人被害者支援都民センター
pp.566-570
発行日 2026年9月10日
Published Date 2026/9/10
DOI https://doi.org/10.69291/cp26050566
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I 各国における16歳未満のSNS利用制限
2025年から,未成年のSNS利用を法的に禁止・制限する国が徐々に増えつつあり,その波は世界中で急速な広がりを見せている。
オーストラリアは,16歳未満のSNS利用を世界で初めて国レベルで法的に禁止した。2025年12月に施行されたこの法律では,年齢確認を怠ったSNS運営企業に対し,最大で約5,000万豪ドル(約50~56億円)という巨額の罰金が科される。これに追随する形で,インドネシアも2026年3月に,政府が「ハイリスク」と分類したSNSを対象とする16歳未満の利用禁止と年齢制限を開始した。さらに,UAE(アラブ首長国連邦)がアラブ諸国として初めて2026年6月に15歳未満のSNS利用禁止を発表し,親の許可があっても例外を認めない厳格な年齢確認を義務づけた。フランスにおいても,15歳未満のSNS利用を一律禁止とする法案が可決され,2026年9月からの施行を目指している。
このように各国の議論は加速しており,今後はイギリス,アメリカ,スペイン,ノルウェーなどでも,16歳未満のSNS使用制限が次々と検討・導入されていく見通しである。
こうした世界的な動きの背景には,若者のメンタルヘルスや安全性を脅かす具体的な事例や調査結果の蓄積がある。特に欧米における大規模な調査や,世論・政策を大きく動かす原動力となった悲劇的な事件の影響が大きい。

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