特集 ソーシャルジャスティス――誰のための/何のための正義か?
公認心理師が関わる診療報酬とソーシャルジャスティス
伊藤 正哉
1
,
吉橋 実里
2
,
今村 扶美
3
1早稲田大学文学学術院
2早稲田大学文学学術院
3早稲田大学文学学術院
pp.463-469
発行日 2026年7月10日
Published Date 2026/7/10
DOI https://doi.org/10.69291/cp26040463
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医療保険制度は,「相互扶助の精神に基づき,病気や怪我に備えてあらかじめお金(保険料)を出し合い,実際に医療を受けたときに医療費の支払いに当てる仕組み」である(健康保険組合連合会:第1回「実は恵まれている!日本の国民皆保険制度」(https://www.kenporen.com/health-insurance/basic/01.shtml[2026年4月18日閲覧]))。1961年にはじまった日本の国民皆保険制度は,国民全員を公的医療保険で補償するものであり,医療機関を自由に選べるとともに,必要とする人に安い医療費で高度な医療が届くことを特徴としており,被保険者や事業主,患者負担に加えて,公費を投じて維持されている(厚生労働省,2024a)。診療報酬とは,日本の公的医療制度に基づいて,保険医療機関等が提供する保健医療サービスに対して支払われる報酬であり,原則として実施した医療行為ごとに,それぞれの項目に対応した点数を積み上げ,1点10円として計算される。
令和8(2026)年度の診療報酬改定において,公認心理師に関する診療報酬の範囲がかつてないほどに拡大した。本稿では,公認心理師が関わる診療報酬を概観したうえで,それがソーシャルジャスティスとどのように関わるかを検討し,今後の課題を考えたい。

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