特集 トラウマインフォームドケア
ケアする人のコモンセンス―児童相談所の実践
島 ゆみ
1
1大阪府中央子ども家庭センター
pp.444-448
発行日 2025年7月10日
Published Date 2025/7/10
DOI https://doi.org/10.69291/cp25040444
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
I はじめに
児童相談所(以下,児相)は児童福祉法第12条に定められ,子どもの権利を擁護することを主たる目的として設置された行政機関である。年々虐待通告が増加するなかスピーディな対応を求められており,近年,特に一時保護,法的対応などの行政的権限の行使が必要であろうと考えられるケースへの対応を日々求められている。行政機関として強制力のある介入的な対応が期待される一方で,子どもが健全に育ち,家族が再統合していくことへの支援も求められる。このような介入的な関与と支援的な関与を効果的に繋いでいくには,子どもが家庭で体験した過去と現在,そして未来への繋がりを見通した支援が必要であり,その支援のための見立ての軸としてトラウマの視点が欠かせない。

Copyright© 2025 Kongo Shuppan All rights reserved.