論評
曝露前予防内服の普及手段としての保険適用
鈴木 康裕
1
1国際医療福祉大学学長(元厚生労働省医務技監)
pp.12-17
発行日 2026年5月11日
Published Date 2026/5/11
DOI https://doi.org/10.57527/JUNPO2999004
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要旨 曝露前予防内服(pre‑exposure prophylaxis: PrEP)は、HIV感染リスクの高い人に対する有効性が確立した曝露前予防内服であり、日本でも普及の必要性は高い。国連合同エイズ計画(UNAI DS)の2025年政策目標である「30-80-60」は、医療機関だけでなくコミュニティ主導で予防活動を行う重要性を示しており、欧米主要国では、公的保険や公費負担の枠組みでPrEPを継続的に利用可能にする方向が主流となっている。国内外の研究は、PrEPが高リスク層に重点的に導入されれば、感染抑制効果が大きいことを示しており、また対象を適切に絞れば、PrEPは十分に合理的な公衆衛生投資となる可能性が高いとされている。なお、PrEPの普及が性行動の高リスク化を招くとの懸念には、現時点で決定的な裏付けはない。 制度化の手段としては、保険適用が最も本則的であり、研究費によるモデル事業は移行措置として位置付けられる。したがって、日本でも検査、相談支援、継続支援と一体として、PrEPの保険適用を早急に検討する必要がある。

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