特集 虚血性心疾患
セミナー 臨床医が知るべき虚血性心疾患の病態と診断
虚血性心疾患の疫学
鈴木 美波
1
,
髙橋 政夫
1
1JR東京総合病院循環器内科
キーワード：
▶虚血性心疾患（CAD）は動脈硬化による冠動脈狭窄を主因とし，狭心症や心筋梗塞をはじめ，非閉塞性病態まで多様な形で臨床に現れる．
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▶近年の疫学データでは，世界的にCADは依然として死因の第1位を占め，特に発展途上国において死亡数の増加が顕著である．
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▶CADのリスク因子は数多くあるが，予防・管理が可能なものと不可能なものに大別される．
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▶高血圧，脂質異常症，糖尿病，喫煙，肥満はそれぞれCADの発症リスクを増加させる．なかでも糖尿病は最もリスクを増大させる因子である．
,
▶遺伝的素因や社会的背景，人種差など個人の努力では修正困難な要因も存在する．
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▶近年，遺伝子多型が心疾患に与える影響についても研究が進んでおり，複数の遺伝子多型が重なることでCADの発症リスクも増加することがわかっている．
,
▶MINOCAやINOCAは従来のリスク因子とは異なる傾向を示し，慢性疾患や全身性疾患の合併が多い．
,
▶CADの発症は多因子によるため，今後は，包括的な予防戦略と個別化医療の推進が求められる．
Keyword:
▶虚血性心疾患（CAD）は動脈硬化による冠動脈狭窄を主因とし，狭心症や心筋梗塞をはじめ，非閉塞性病態まで多様な形で臨床に現れる．
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▶近年の疫学データでは，世界的にCADは依然として死因の第1位を占め，特に発展途上国において死亡数の増加が顕著である．
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▶CADのリスク因子は数多くあるが，予防・管理が可能なものと不可能なものに大別される．
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▶高血圧，脂質異常症，糖尿病，喫煙，肥満はそれぞれCADの発症リスクを増加させる．なかでも糖尿病は最もリスクを増大させる因子である．
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▶遺伝的素因や社会的背景，人種差など個人の努力では修正困難な要因も存在する．
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▶近年，遺伝子多型が心疾患に与える影響についても研究が進んでおり，複数の遺伝子多型が重なることでCADの発症リスクも増加することがわかっている．
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▶MINOCAやINOCAは従来のリスク因子とは異なる傾向を示し，慢性疾患や全身性疾患の合併が多い．
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▶CADの発症は多因子によるため，今後は，包括的な予防戦略と個別化医療の推進が求められる．
pp.1508-1512
発行日 2025年10月1日
Published Date 2025/10/1
DOI https://doi.org/10.50936/mp.42.10_009
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はじめに
虚血性心疾患 coronary artery disease（CAD）は，冠動脈の狭窄により引き起こされる心臓の機能障害の総称であり，冠動脈疾患とも呼ばれる．主に動脈硬化が原因とされる冠動脈内の狭窄あるいは閉塞が原因で心筋への血流が不足することで，さまざまな病態を呈することで知られている．
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