特集 がん検診とリスク層別化検診の課題
セミナー① 一般集団を対象としたがん検診の最近の話題
マンモグラフィによる乳がん検診
角田 博子
1
1聖路加国際病院放射線科
キーワード:
▶乳がん検診においては,その立ち上げ前から精度管理が行われ,撮影,読影の資格認定制度が設けられている.
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▶読影認定医の総数は比較的充足してきたが,地域差が大きく課題となっている.
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▶2024年のがん検診のあり方に関する検討会において,乳癌のプロセス指標の新しい基準値が示された.
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▶高濃度乳房には,乳癌の検出が難しく,乳癌罹患率が高いという問題がある.
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▶乳房トモシンセシスは3D撮影であり,乳腺の重なりによる限界に貢献している.
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▶高濃度乳房の多い40歳台女性を対象に,USをMGに上乗せしたランダム化比較(J-START)が日本で初めて行われ,死亡率減少効果の検証が行われている.
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▶J-STARTの研究により,乳癌の検出が増加したが,最終的な死亡率減少効果の有無については今後の研究結果が待たれる.
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▶ブレスト・アウェアネスは,乳房に関する健康教育である.
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▶組織診を実施した件数を母数とし,その結果実際に乳癌であった割合,つまり陽性反応適中度(PPV3)が,質を評価する指標として重要視されてきている.
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▶乳がん検診において要精検となった受診者が適切な診療を受診できるような活動が進みつつある.
Keyword:
▶乳がん検診においては,その立ち上げ前から精度管理が行われ,撮影,読影の資格認定制度が設けられている.
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▶読影認定医の総数は比較的充足してきたが,地域差が大きく課題となっている.
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▶2024年のがん検診のあり方に関する検討会において,乳癌のプロセス指標の新しい基準値が示された.
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▶高濃度乳房には,乳癌の検出が難しく,乳癌罹患率が高いという問題がある.
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▶乳房トモシンセシスは3D撮影であり,乳腺の重なりによる限界に貢献している.
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▶高濃度乳房の多い40歳台女性を対象に,USをMGに上乗せしたランダム化比較(J-START)が日本で初めて行われ,死亡率減少効果の検証が行われている.
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▶J-STARTの研究により,乳癌の検出が増加したが,最終的な死亡率減少効果の有無については今後の研究結果が待たれる.
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▶ブレスト・アウェアネスは,乳房に関する健康教育である.
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▶組織診を実施した件数を母数とし,その結果実際に乳癌であった割合,つまり陽性反応適中度(PPV3)が,質を評価する指標として重要視されてきている.
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▶乳がん検診において要精検となった受診者が適切な診療を受診できるような活動が進みつつある.
pp.1373-1377
発行日 2025年9月1日
Published Date 2025/9/1
DOI https://doi.org/10.50936/mp.42.09_014
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はじめに
乳癌は現在わが国の女性のがん罹患率第1位,死亡率第4位を占めるが,適切な検診の実施による早期発見によって死亡減少を期待できる癌種でもある.わが国で対策型乳がん検診としてマンモグラフィ(MG)検診が開始されてから既に四半世紀が経過した.ここでは,そのシステムの立ち上げの経緯と精度管理,その後の変遷について紹介する.また,要精検となった受診者の精査施設への的確な移行について現状を述べる.

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