特集 新型コロナウイルス感染症の最新動向
4.新型コロナウイルス感染症の最新治療
倉井 大輔
1
1杏林大学医学部付属病院感染症科診療科長
pp.22-30
発行日 2021年12月15日
Published Date 2021/12/15
DOI https://doi.org/10.34449/J0108.05.02_0022-0030
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新型コロナウイルス感染症(coronavirus disease 2019:COVID-19)のパンデミック下で,COVID-19の治療薬候補として,過去のコロナウイルスの治療薬が用いられた.それらの薬剤の有効性がランダム化試験などで明らかになりつつある.しかし,パンデミックの混乱により,人での有効性が確認されていない薬剤がin vitroの有効性などの情報をもとに多く使用された.COVID-19 に対してどのような治療を選択するかは,疾患の重症度と発症後の時期により異なる(図1).また,COVID-19の特異的治療以外に合併症予防に有効な薬剤も存在する.本稿では,COVID-19治療の実際について概説する.なお,これらの薬剤の有効性は,対象患者,治療開始の時期,研究期間のCOVID-19の標準治療,医療負荷の状況,研究時期により,ランダム化試験でもアウトカムに大きな差が出る.とくに,ステロイドの有用性の証明前後で標準治療が変更したため,その前後の研究の比較が難しくなっている.
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