特集 新型コロナウイルス感染症
4.新型コロナウイルス感染症の感染経路と予防
森兼 啓太
1
1山形大学医学部附属病院検査部・感染制御部部長
pp.24-29
発行日 2020年9月1日
Published Date 2020/9/1
DOI https://doi.org/10.34449/J0108.04.01_0024-0029
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一般に,感染症の予防について考える際,検討すべき事柄は,感染経路がわかっているか,発症予防薬があるか,ワクチンがあるか,の3つである.本稿ではこの3つに分けて書き進める.新型コロナウイルス感染症の原因ウイルスであるSARS-CoV-2は,ベータコロナウイルス属に分類されている.主に気道で増殖するため,感染経路は主に飛沫を介する飛沫感染である.また,その飛沫が付着した場所に手で触れて,その手で口や鼻を触って感染する経路も想定される.結核を除くほとんどの呼吸器感染症の伝播経路は飛沫感染である.その対策として,感染者の2m以内に近寄る際にサージカルマスクを着用する,感染者を個室またはカーテンやパーティションなどで区切られたスペースに収容する,といった基本的対策を講じている.
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