特集 新型コロナウイルス感染症
3.新型コロナウイルス感染症における治療法の現状
石井 晴之
1
1杏林大学医学部呼吸器内科学教授
pp.17-23
発行日 2020年9月1日
Published Date 2020/9/1
DOI https://doi.org/10.34449/J0108.04.01_0017-0023
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2019年12月31日に中華人民共和国の湖北省武漢市で肺炎患者が集団発生したことを世界保健機関(WHO)は報告を受けた.2020年1月9日に新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が原因であることが判明してから,一気に全世界へと感染拡大が生じて2020年3月11日にWHOはパンデミックであることを発表した.2020年7月10日時点で全世界での感染者数1,250万人,死亡者数は56万人に達し,わが国では感染者数21,129人,死亡者数982人となった.人口10万人あたりの感染者数は,日本では16人に対して,最も高いのは米国で942人,次にブラジルで826人となる.そして致死率は,日本では4.8%であるが,最も高いフランスでは17.7%にまで達している.この感染拡大や死亡者数は,SARS-CoV-2に対しての確立された治療法がない,というのが大きな原因になっている.
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