乳癌カレントトピックス
COVID-19環境下で次の感染拡大から乳癌医療を守るための備え
下村 昭彦
1
1国立国際医療研究センター病院乳腺・腫瘍内科
pp.54-56
発行日 2022年3月10日
Published Date 2022/3/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0096.07.01_0054-0056
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2020年1月,中国で謎の肺炎が流行していることが報道され,1月16日には国内で初のSARS-CoV-2感染者が報告された。しかし,当初の感染者は国外から入国した外国人もしくは帰国者であり,「流行すると怖いな」と思いつつもどこか他人事のように感じていた方が多かったことと思う。ところが,1月28日に武漢在留邦人の帰国が始まってからの世界の様変わりについては,みなさんがよくご存知のとおりである。それでも2月中旬くらいまでは感染に注意しつつさまざまな集会も行われていたが,北海道での爆発的な感染者増加を受けて2月28日に北海道独自の新型コロナウイルス緊急事態が宣言され,時を同じくして当時の安倍晋三首相により全国一斉休校が要請され,日本全体が緊張感をもってCOVID-19に対応することとなった。医療が逼迫する可能性は3月上旬から指摘されていたが,実際に危機感が募ってきたのは3月中旬以降であった。筆者の勤務する国立国際医療研究センター(National Center for Global Health and Medicine:NCGM)は感染症指定病院であり,国際感染症を中心に扱う施設であることから,必然的にCOVID-19に真正面から対面することとなった。そして,同時に国内の大多数の施設がCOVID-19に対応することを要求された。
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