State of the ART
乳癌に対する免疫チェックポイント阻害療法への期待
鈴木 栄治
1
1京都大学医学部附属病院乳腺外科助教
pp.19-24
発行日 2016年2月15日
Published Date 2016/2/15
DOI https://doi.org/10.34449/J0096.02.01_0019-0024
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「ポイント」・乳癌以外の癌種での免疫チェックポイント阻害療法の情報が乳癌に対する免疫チェックポイント阻害療法開発における重要な指標になる。・治療効果を予測するバイオマーカーとしてprogrammed cell death ligant 1(PD-L1)発現の評価のみならず,そのほか新規バイオマーカーの開発が重要である。・トリプルネガティブ乳癌のみならずフェノタイプ横断的に免疫チェックポイント阻害療法は有用性の評価が今後なされていく。・癌免疫療法特有の副作用の診断,治療を他科との連携で確立していくことが重要である。「はじめに」癌免疫療法の研究・開発はこれまでに基礎,臨床の両面において様々な免疫学的アプローチにより基盤となるデータが蓄積されてきたが,臨床上有用性を示す治療法の確立は困難であった。しかしながら最近,悪性黒色腫に対する免疫チェックポイント阻害薬による癌免疫療法がこれまでの治療成績を大きく上回る生存期間延長を示し,大きな注目と期待を集めている。
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