特集 Special Article:
アルコール依存症に合併する身体疾患とその治療 6.アルコールと糖代謝異常
西田 友哉
1
1順天堂大学大学院医学研究科代謝内分泌学 准教授
キーワード:
アルコール
,
インスリン抵抗性
,
GSIS
,
糖新生
,
糖尿病
Keyword:
アルコール
,
インスリン抵抗性
,
GSIS
,
糖新生
,
糖尿病
pp.49-54
発行日 2018年2月10日
Published Date 2018/2/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0078.06.01_0049-0054
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アルコールは糖代謝を司るさまざまな臓器に作用する。肝臓においてはその糖産生を抑制し,栄養不良時における低血糖を誘発する。骨格筋ではインスリン抵抗性の増大を引き起こす。また,膵β細胞からのインスリン分泌を阻害する。このように,アルコールは個体において耐糖能を悪化させる方向に作用すると考えられるが,一方で生体でのアルコールによる血糖値への影響に関しては,曝露期間や対象となるモデル生物など,検討を行った条件によってさまざまな報告が存在する。適度な飲酒が糖尿病に伴う心血管イベントのリスクに対して抑制的に働くという報告も散見されるが,現時点では糖尿病患者に対して積極的にアルコール摂取を奨励する根拠は認められない。「KEY WORDS」アルコール,インスリン抵抗性,GSIS,糖新生,糖尿病
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