特集 Special Article:
アルコール依存症治療の拠点機関が果たす役割と展開 5.佐賀県における依存症治療拠点機関の取り組み
武藤 岳夫
1
1国立病院機構肥前精神医療センター医長
キーワード:
家族支援
,
当事者支援
,
関係機関との連携
,
教育研修
,
普及啓発
Keyword:
家族支援
,
当事者支援
,
関係機関との連携
,
教育研修
,
普及啓発
pp.37-41
発行日 2017年8月10日
Published Date 2017/8/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0078.05.02_0037-0041
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佐賀県における依存症治療拠点機関事業では,当院がこれまで十分役割を果たせていなかった,家族への専門的な相談,治療および回復支援に特に重点を置き,新たに家族の相談窓口「依存症相談室」とCRAFT家族教室「F.C.肥前」を立ち上げ,その存在が徐々に周知されつつある。また,従来から当院が担ってきた,医療従事者,関係機関,当事者・家族対象の研修へのニーズがさらに強まり,全国規模の研修会を複数開催し,当院の強みを活かした,拠点機関としての特色ある機能が果たせたと思われる。本事業によって設置された依存症対策推進協議会により,関係機関のみならず,当事者,家族,回復施設も含めた県内での「顔のみえる関係」が構築されてきたことは大きな成果であった。一方で,当事者の受診数は目立った変化を見せておらず,地域住民への普及啓発活動は十分とはいえない。具体的な課題の協議はこれからであるが,依存症対策において,この関係が維持され,さらに連携が強化されていくことを期待したい。「KEY WORDS」家族支援,当事者支援,関係機関との連携,教育研修,普及啓発
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