入院治療における心理社会的アプローチ
第1回
松下 幸生
1
1独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター
pp.70-73
発行日 2015年8月10日
Published Date 2015/8/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0078.03.02_0070-0073
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「はじめに」近年、アルコール依存症の治療にアカンプロサートが導入されるなど薬物療法にも進展がみられるが、心理社会的治療が治療の中心であることに異論はない。筆者が所属する医療機関では長年、病棟全体の入院患者を対象とした大集団ミーティングやアルコール問題への直面化による否認への対処が主体のプログラムを実施していたが、2000年から認知行動療法を開始し、さらに動機づけ面接法、変化のステージモデル、リラプス・プリベンション、さらにマトリックスモデルや12のステップを基礎としたパラダイム発展モデルといった高度に構造化された治療プログラムに代表される心理社会的治療の発展を受けて、2010年から治療プログラムの改変に着手して多職種で検討を重ねた結果、認知行動療法を中心として他の治療モデルの要素を取り入れたGTMACK(group treatment model of alcohol dependence based on cognitive-behavioral therapy, kurihama version)という複合プログラムを作成し、2012年から入院患者を対象に実施している。
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