巻頭座談会 Round-Table Discussion
周産期DICを考える
茨 聡
1
,
白幡 聰
2
,
高橋 幸博
3
,
水上 尚典
4
1鹿児島市立病院総合周産期母子医療センター新生児内科部長
2産業医科大学名誉教授
3奈良県立医科大学附属病院総合周産期母子医療センター新生児集中治療部門教授
4北海道大学大学院医学研究科産科・生殖医学分野教授
pp.8-15
発行日 2015年8月1日
Published Date 2015/8/1
DOI https://doi.org/10.34449/J0055.07.02_0008-0015
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周産期の出血は容易に播種性血管内凝固症候群(DIC)に進展するが,新生児・産科領域ともにその病態は一般のDICと比較して特異的である。特に血液凝固・線溶系マーカーの臨床的評価は新生児と成人で異なり,妊産婦では非妊娠時と比較して生理的変動を伴う。このため,周産期のハイリスク母体・胎児ならびに新生児の病態生理を十分に理解する必要がある。そのうえで周産期DICの救命・予後改善を目指し,適切な早期診断・早期治療を行うことが肝要となる。新生児領域では新たなDIC診断基準,ならびに世界初となる新生児DIC治療指針が作成され,臨床現場に普及しつつある。本座談会では新生児領域および産科領域のエキスパートの先生方をお招きし,新生児DICと産科DICの最新の話題についてご紹介いただいた。
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