連載 ドライアイ外来最前線
私のドライアイ診療① ―井後眼科―
馬渡 祐記
1
1医療法人陽山会 井後眼科 院長
pp.54-55
発行日 2019年4月29日
Published Date 2019/4/29
DOI https://doi.org/10.34449/J0042.14.01_0054-0055
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ジクアスやムコスタが登場したことで,ドライアイ治療において涙液層の安定性を向上させることの重要性を理解しました。私は5年ほど前から眼瞼下垂手術を積極的に実施していますが,術後に一過性のドライアイを発症するということに気付き,術前・術後にドライアイケアを行うようになったことがドライアイ診療に力を入れるようになったきっかけです。現在,眼瞼下垂の手術は40眼/月程度行っています(図)。眼瞼下垂手術を実施すると,一時的な閉瞼障害,開瞼幅の上昇による涙液蒸発量の亢進でドライアイの発症および悪化を認め,それにより視力が低下します。特に術前からドライアイの傾向があった患者さんでは症状がさらに悪化する可能性が高いと考えられます。そこで,眼瞼下垂手術を控えた患者さんにはドライアイの検査を行い,その結果によってドライアイのケアを行ったのちに手術を行うといった流れを取っています。こういった点が,他の先生方と異なる私のドライアイ診療のひとつではないかと思います。
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