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視野検査と測定点配置
松本 長太
1
1近畿大学医学部眼科学 教授
pp.59-62
発行日 2024年2月27日
Published Date 2024/2/27
DOI https://doi.org/10.34449/J0024.01.67_0059-0062
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私は,1983年に近畿大学眼科に眼科研修医として入局した.当時主任教授であった大鳥利文教授はGoldmann視野計(GP)に絶大なる信頼を置いており,測定手技についても厳しくし検査員を指導し,いつでもすぐに予約なしで非常に情報量の多いGPによる動的視野を測定可能な環境を構築されていた.そのため,1984年に初代自動視野計であるOctopus201(通称Big Octopus)が近畿大学に導入されたときも,正直なところ標準の30度内を6度間隔で測定するプログラム(プログラム31,32)(図1)では,全視野を網羅するGPに比べ,測定点の密度に起因する空間的な解像度の低さ,視野としての障害パターンの評価の難しさを感じていた.この問題点の多くは測定点数に制限を与える閾値測定の検査時間に起因するものであり,当時の4-2dBブラケッティング法では30度内視野を6度間隔で測定するだけで片眼に20~30分近い測定時間を要していた.
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