連載 Medical Scope
CKD診療ガイドライン2023改定のポイント
小杉 智規
1
1名古屋大学大学院医学系研究科病態内科学講座腎臓内科学 准教授
pp.76-79
発行日 2024年6月10日
Published Date 2024/6/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.41.02_0076-0079
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慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)は初期症状が乏しい新たな国民病である。腎代替療法を必要とする末期腎不全の原因となるだけでなく、心血管疾患の発症や全死亡のリスクとなることが明らかとなり、その対策は喫緊の課題となった。しかし、腎臓専門医療機関のみでCKD診療を行うことは困難となってきた。CKD診療ガイドラインは、CKD診療の普及・啓発・実践に大きな役割を果たしている。今回の改訂において、これまでのCKD診断と重症度の評価に加え、新たにeGFRスロープ(傾き)を用いたCKD進行の評価を記載した。各地域の医療体制や諸事情を考慮しつつ、さらなる健康寿命の延伸のために、かかりつけ医と腎臓専門医の併診を含めた病診連携の強化が今後も重要となる。
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