連載 Medical Scope
クローン病治療における内科と外科の連携
福岡 達成
1
,
北山 紀州
2
,
笠島 裕明
3
,
青松 直撥
4
,
渋谷 雅常
1
,
前田 清
5
1大阪公立大学大学院医学研究科消化器外科学 講師
2大阪公立大学大学院医学研究科消化器外科学
3大阪公立大学大学院医学研究科消化器外科学 病院講師
4青松記念病院外科
5大阪公立大学大学院医学研究科消化器外科学 教授
pp.46-49
発行日 2023年4月10日
Published Date 2023/4/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.40.01_0046-0049
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クローン病の治療は内科治療が主体である。外科治療に求められるものは、早期の内科治療の再開や社会復帰のために術後合併症をなくすことである。術後合併症の頻度はステロイド治療中の患者や術前低栄養状態や炎症状態で高く、また膿瘍や穿孔、瘻孔状態での手術で有意に高くなる。そのため、内視鏡治療適応外の狭窄病変は早期に手術介入が重要である。また膿瘍や瘻孔を有する場合は緊急手術ではなく、膿瘍ドレナージの先行や術前に栄養状態や炎症状態の改善に積極的に介入することが重要である。よりよいクローン病治療のためには、患者の状態を把握し、内科と外科が連携しながら、手術の適応やタイミングを決めることが重要である。
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