連載 Medical Scope
小児鼻アレルギー診療のトピックス
松岡 伴和
1
1山梨大学大学院総合研究部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座 講師
pp.59-62
発行日 2019年11月20日
Published Date 2019/11/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.37.11_0059-0062
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わが国における小児鼻アレルギー診療の中心は,現状では薬物療法である。しかし,薬物療法はあくまでも対症療法であり,鼻アレルギーの根本的な治療になるわけではない。アレルゲン免疫療法(AIT)は,唯一根治の可能性のある治療法であり,古くより皮下免疫療法(SCIT)が行われてきたが,稀にアナフィラキシーなどの重篤な副作用があり,日本では普及してこなかった。より安全性の高い舌下免疫療法(SLIT)は,欧州を中心に普及し,2014年よりわが国でもスギ花粉舌下液の販売が開始された。その後,ダニ舌下錠が登場し,世界に先駆けてわが国でのみ小児に対する適応が取得された。SLITを含めたAITは小児に対して有効な治療法であり,さらなる普及が期待される。
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