増刊号 耳鼻咽喉科処方マニュアル
4.アレルギー性疾患
鼻アレルギー
山口 智
1
,
松根 彰志
1
1日本医科大学武蔵小杉病院耳鼻咽喉科
pp.166-173
発行日 2016年4月30日
Published Date 2016/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411200927
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処方のPoint
・病型(くしゃみ・鼻漏型,鼻閉型),重症度によって処方を使い分ける。基本的に,くしゃみ・鼻漏型には抗ヒスタミン薬,鼻閉型には抗ロイコトリエン薬,鼻噴霧用ステロイドなどが中心となる。充全型としての程度や重症度の上昇に伴い,複数の薬物を「複数の作用機転」を目的として処方することになる。
・通年性アレルギー性鼻炎では,症状の改善を認めても内服・点鼻をすぐには中止せず,症状の安定を待ってから徐々に減量していく。
・季節性アレルギー性鼻炎では,重症・最重症例には多剤の併用でなければ対応しきれない場合があるが,点鼻用血管収縮薬については,薬剤性鼻炎の出現の危険性から1〜2週間までに限っての使用とする。
・抗ヒスタミン薬は多種類存在するが,各薬剤には,中枢抑制や抗コリン作用などの副作用,禁忌・慎重投与と薬剤相互作用があり,それに留意して使用する。特に高齢者では,緑内障や前立腺肥大などを合併することが少なくない。そうした場合,抗ヒスタミン薬以外の薬剤の使用を考慮すべきである。
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