- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
気管支喘息とは,ダニやハウスダストなどのアレルゲンの吸入が原因で発症しIgEや好酸球が上昇するアレルギー性疾患と従来は考えられていた。しかし,現在の『喘息予防・管理ガイドライン(Japan asthma prevention and management GuideLine;JGL) 2018』の定義では,「気道の慢性炎症を本態とし,変動性を持った気道狭窄(喘鳴,呼吸困難)や咳などの臨床症状で特徴付けられる疾患である」とされていて,必ずしもT2タイプのアレルギー性炎症があるとは限らない1)。気道炎症には,好酸球,好中球,リンパ球,マスト細胞などの炎症細胞,加えて,気道上皮細胞,線維芽細胞,気道平滑筋細胞などの気道構成細胞,および種々の液性因子が関与する1)。通常の喘息治療薬である吸入ステロイド(inhaled corticosteroids;ICS)+長時間作用性β₂刺激薬(long-acting β₂ agonist;LABA)でもコントロール不良の際には,どのような喘息のフェノタイプであるかをよく吟味して治療法を選択する必要がある。重症喘息に対する治療としては,IgEやIL-5をターゲットとした生物学的製剤が使用可能であるが,IgEや好酸球高値などのT2 highタイプのフェノタイプを有する患者でないと効果が期待できない。気管支サーモプラスティは,気道平滑筋をターゲットにした気管支鏡治療でありT2 lowタイプのフェノタイプでも効果が期待できる2)。わが国では2015年より保険収載となったが,2018年11月の時点では,全国119施設で632名の患者に施行されている。「KEY WORDS」重症喘息,気管支サーモプラスティ,リモデリング,増悪
Medical Review Co., Ltd. All rights reserved.