特集 変形性関節症診療の新たな展開
変形性関節症の新規画像診断法
渡辺 淳也
1
1千葉大学大学院医学研究院総合医科学講座 特任教授
pp.19-22
発行日 2017年6月20日
Published Date 2017/6/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.35.06_0019-0022
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変形性関節症(osteoarthritis;OA)は,関節への繰り返す微小外力や加齢に伴い生じた退行変性を基盤として発生する。一般にOAの初期に起こる変化は関節軟骨の変性であり,プロテオグリカンの減少やコラーゲン配列の不整化などが起こる。変性に伴う関節軟骨機能の低下は,軟骨自体の摩耗に加え周囲の骨増殖性変化を生じ,最終的に不可逆的な関節変形へと進行する。進行したOAに対しては外科的治療以外に有効な手段がないため,なるべく早期にOAを診断し,進行予防のための有効な対策をとることが大切である。従来OAの画像診断は,疾患の確定や除外など臨床診断を目的としていたが,近年OA治療の効果判定や,OAの進行の指標としての役割が重要視されている。本稿では,単純X線,磁気共鳴撮像(magnetic resonance imaging;MRI),コンピュータ断層撮影(computed tomography;CT),超音波診断装置(ultrasound;US)などの画像診断法のOAに対する適応と限界について述べる。「key words」変形性関節症,画像診断,単純X線,磁気共鳴撮像
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