特集 高血圧を再考する:注目点とこれからの診療
高血圧のカテーテル・デバイス治療の現状と未来
廣岡 良隆
1
1九州大学循環器病未来医療研究センター先端循環制御学部門教授
キーワード:
圧受容器反射
,
交感神経系
,
治療抵抗性高血圧
,
心不全
,
腎臓
Keyword:
圧受容器反射
,
交感神経系
,
治療抵抗性高血圧
,
心不全
,
腎臓
pp.47-52
発行日 2016年8月20日
Published Date 2016/8/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.34.08_0047-0052
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
「はじめに」優れた降圧薬の開発によって克服されたかにみえた高血圧治療であるが,その実態はいまだ不十分であり,心血管病による死亡の約50%に高血圧が関わっている。適切な薬物治療を受けていない人も含まれるが,利尿薬を含む3剤以上の投与によっても目的の降圧値に至っていない患者を治療抵抗性高血圧と呼び,約10%といわれている1)。服薬アドヒアランスなどに注意すれば実際はもっと少ないことが推察されるが,高血圧者の母数(日本で約4,300万人)の大きさから考えると,適切にコントロールできていない患者数は多い。近年,高血圧の病態における交感神経活性化の重要性が注目されており,カテーテルやデバイスを用いた交感神経制御による新規治療法を治療抵抗性高血圧患者に対して応用しようという試みがなされている2)3)。それらが腎デナベーション(renal denervation;RDN)と圧受容器反射刺激治療(baroreflex activation therapy;BAT)である3)-8)(図1)5)。現在多くの有効な降圧薬があるため,病態の理解に基づく治療を考えることを忘れがちである。実はRDNやBATは多くの基礎研究をもとに,何とか臨床応用ができないか工夫された結果生まれた治療法である。「KEY WORDS」圧受容器反射,交感神経系,治療抵抗性高血圧,心不全,腎臓
Medical Review Co., Ltd. All rights reserved.