特集 摂食調節機構とその破綻に伴う疾患群
特集にあたって
中里 雅光
1
1宮崎大学医学部内科学講座神経呼吸内分泌代謝学分野教授
pp.7-8
発行日 2016年5月20日
Published Date 2016/5/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.34.05_0007-0008
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摂食は,中枢と末梢で産生される摂食亢進物質と抑制物質の相互作用により調節されている。恒常的摂食(homeostatic feeding)に調節加え,視覚や味覚などの外的刺激により,脳内の報酬,動機付け,情報(たとえば見た目),記憶(たとえば食事が楽しかった思い出)などの快楽系が作動して起こる快楽的摂食(hedonic feeding)調節がある。恒常的摂食調節は,視床下部や脳幹が中心となり,末梢臓器(消化管,肝臓,膵臓,脂肪組織,筋肉など)からのエネルギー代謝・蓄積状態,栄養素,消化管ペプチド,レプチンなどのシグナルにより調節されている。末梢からの摂食とエネルギー代謝情報は,液性または神経求心路により脳に伝達され,自律神経遠心路を介して全身臓器や免疫系,血管,骨格筋などを制御している。
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