特集 インフルエンザ診療最前線
特集にあたって
岡部 信彦
1
1川崎市健康安全研究所所長
pp.7-8
発行日 2015年11月20日
Published Date 2015/11/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.33.11_0007-0008
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毎年流行するインフルエンザ。国内では,流行の小さい年でも数百万人,流行が大きい年では1,700万~1,800万人,おおむね一千数百万人のほとんどがわずか数ヵ月間に集中して医療機関を訪れる。その大多数は,病の辛さはあっても自然に回復するが,辛さをできるだけ楽にし,早い回復を望むのは当然であり,そのために古来からさまざまな工夫が行われているが,決め手となるようなものはなかった。そこに登場したのが抗インフルエンザウイルス薬であり,明らかに早めに解熱がみられるところから,特に国内では多くの人に処方が行われ,そして多くの人がこれを求めた。またインフルエンザを診察したことがないという医者は皆無であると思われるが,インフルエンザをウイルス学的に診断することができる医者はほんの一握りであった。そこに登場したのがインフルエンザの迅速診断キットである。ウイルス学的診断が外来デスクで簡便にできるようになったことは画期的なことであり,多くの医療機関が採用した。
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