特集 こどもの心電図と心エコー図―ファーストタッチから専門診療まで―
序文
山岸 敬幸
1
,
濱田 洋通
2
1東京都立小児総合医療センター
2千葉大学大学院医学研究院小児病態学
pp.i-i
発行日 2025年10月20日
Published Date 2025/10/20
DOI https://doi.org/10.34433/pp.0000001861
- 有料閲覧
- 文献概要
小児の循環器疾患を診断・管理するうえで,診察に続く心電図や心エコー図などの検査は欠かせません.小児科の診療現場では,これらの検査をうまく活用することで,重大な心疾患を見逃さず,早期に専門医へつなげることができます.しかし実際は,とくに若手医師や,「こどもの総合医」として一般小児科診療を中心に地域医療を支えていらっしゃる多くの先生方にとって,小児循環器領域の検査・評価は少しハードルが高いかもしれません.胸部X線や心電図は,ほぼすべての医療機関で実施できる基本的な検査ですが,心疾患を正しく診断・管理するための読影・判読には相応の知識と経験が求められます.また,心エコー図検査は超音波機器が普及した現在,最も身近な非侵襲的画像検査になっていますが,小児循環器・先天性心疾患領域においては,複雑な心臓の構造と病態・血行動態に応じた描出技術と診断技能が必要とされ,決して容易とはいえません.
Copyright © 2025, SHINDAN TO CHIRYO SHA,Inc. all rights reserved.