特集 古くて新しい予防接種~この10年で何が変わったか~
序文
石毛 美夏
1
1日本大学医学部小児科学系小児科学分野
pp.1155-1155
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.34433/pp.0000000652
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小児科医は子どもの健康を守り成長を支援するなかで予防接種を行います.戦後から1990年前半までは社会防衛の観点が強く強制・義務接種で保健所などの予防接種会場で集団接種として行われていましたが,1994年からは国民の努力義務となりました.集団接種からかかりつけ医による個別接種に変わったことで,日常診療のなかで予防接種を行うようになり,すべての小児科医にとってより身近なものになりました.地域でかかりつけ医として開業している医師や保健所や地域保健センターなどで公衆衛生にかかわっている医師はもとより,高度医療機関で専門分野に特化して勤務している医師でも,患児とその養育者に対して予防接種の話をしない小児科医はいないと思われます.小児科医にとって,予防接種は単なる注射の手技ではなく,理論や背景まで含めた深い知識と現場での応用が必要とされる分野です.
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