子宮悪性腫瘍手術時に用いた血管クリップが原因で，二期的腹腔鏡下傍大動脈リンパ節郭清術時に総腸骨静脈損傷をきたした1例

A case of common iliac vein injury during second-stage laparoscopic para-aortic lymphadenectomy caused by vascular clips used in initial surgery for uterine malignancy

要旨

　子宮体癌IA（cT1aN0M0），類内膜癌Grade2の診断で，腹腔鏡下子宮全摘術，両側付属器切除術，大網生検，骨盤リンパ節郭清術を施行したが，術後病理検査で子宮体癌IIIC1期（pT1aN1M0）の診断となった．再発高リスク群のため，腹腔鏡下傍大動脈リンパ節郭清を施行したが，初回手術時に使用した血管クリップの周囲を切開した際に右総腸骨静脈を損傷した．術前想定低リスク群であっても，二期的に腹腔鏡下傍大動脈リンパ節郭清が必要となる症例もあるため，血管クリップを使用する際にはリンパ管のみを結紮するよう注意する必要がある．