特集 胎盤を多角的に理解する
15.胎児共存奇胎の取り扱い
尾本 暁子
1
,
碓井 宏和
1
1千葉大学医学部附属病院産婦人科
キーワード:
胞状奇胎
,
双胎
,
周産期予後
Keyword:
胞状奇胎
,
双胎
,
周産期予後
pp.561-567
発行日 2025年5月1日
Published Date 2025/5/1
DOI https://doi.org/10.34433/og.0000001190
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
要旨
胎児共存奇胎とは,胎児と胞状奇胎の共存する病態であり,胎児に大きな異常がない場合妊娠継続も可能である.ただし,早発の重症妊娠高血圧症候群や出血,切迫流早産などの妊娠合併症が多く,妊娠継続には慎重な管理が必要となる.また,それらの母体合併症のため流早産の転帰となり,生児獲得率は30~50%前後である.妊娠継続週数にかかわらず存続絨毛症の確率は胎児が共存していない単純な胞状奇胎よりも高くなるため,妊娠終了後の慎重な管理も必要となる.

Copyright © 2025, SHINDAN TO CHIRYO SHA,Inc. all rights reserved.