特集 子宮内膜・子宮内腔とその異常
Ⅰ.子宮内膜の基礎
3.子宮内膜症の病因―逆流経血と腹腔内NK細胞の免疫応答―
山本 槙平
1
,
前田 長正
1
1高知大学医学部産科婦人科学教室
キーワード:
腹腔内免疫応答
,
NK細胞
,
細胞障害能
,
走化性
Keyword:
腹腔内免疫応答
,
NK細胞
,
細胞障害能
,
走化性
pp.1333-1338
発行日 2024年12月1日
Published Date 2024/12/1
DOI https://doi.org/10.34433/og.0000000956
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要旨
月経血の腹腔内逆流現象(以下,逆流経血)はほとんどの女性で認められる生理的現象と考えられている1).逆流経血中の子宮内膜細胞(以下,内膜細胞)は腹腔細胞による免疫応答(以下,腹腔免疫)によって処理される.この腹腔免疫の中心的存在であるマクロファージやNK細胞の機能が低下した場合,腹腔内に処理されなかった内膜細胞が遺残し,腹膜や卵巣に生着・浸潤し,月経をくり返すことで子宮内膜症(以下,内膜症)が発症すると考えられる.このような逆流経血とそのなかの内膜細胞に対する腹腔免疫の脆弱性が,内膜症の病因の1つと考えられ,それを免疫学的・画像的に検討した.
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