特集 産婦人科診療ガイドライン婦人科外来編2023改訂のポイント―感染症・女性医学編―
Ⅰ.感染症
3.腟トリコモナス症,細菌性腟症,骨盤内炎症性疾患(PID)の診断と治療は?
早川 智
1
1日本大学医学部病態病理学系微生物学分野
キーワード:
トリコモナス腟炎
,
細菌性腟症
,
骨盤内炎症性疾患
Keyword:
トリコモナス腟炎
,
細菌性腟症
,
骨盤内炎症性疾患
pp.15-17
発行日 2024年1月1日
Published Date 2024/1/1
DOI https://doi.org/10.34433/og.0000000505
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要旨
トリコモナス腟炎の診断には直接顕微鏡検査に加えて,培養とDNA診断が有用である.治療には一般的にメトロニダゾールが用いられるが難治例は,チニダゾールへの変更を試みる.細菌性腟症は早子宮頸部新生物や早産,不妊不育等との関連が指摘される.抗菌薬投与は再発が多く,近年は歯周病と共通する粘膜免疫異常からプロバイオティクスに加えて禁煙指導が試みられている.骨盤内炎症性疾患(PID)の治療にあたっては,起因菌の同定と抗菌薬感受性検査が重要であり,原因菌種が確認された場合,広域性抗菌薬から,その細菌のみを標的としたde-escalationを行う.
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