特集 検体検査のポイントとピットフォール 診察室にこの1冊
A.スクリーニングに用いる検査
9.AST,ALT,γ-GT,ChE[生化学的検査]
渡邊 丈久
1
,
田中 靖人
1
1熊本大学大学院生命科学研究部生体機能病態学分野消化器内科学講座
pp.46-50
発行日 2025年3月24日
Published Date 2025/3/24
DOI https://doi.org/10.34433/dt.0000001216
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Summary
1.ASTとALTは,肝疾患の診断・モニタリングに重要な指標である.ALTは肝臓に特異的で,ASTは心筋や筋肉にも存在するため,鑑別が必要となる.AST/ALT比は,肝疾患のタイプや進行度の評価に役立つ.
2.γ-GTは胆汁の流れに関与し,胆道系障害やアルコール性肝障害のスクリーニングに用いられる.γ-GTとアルカリホスファターゼ(ALP)は,胆道系疾患の診断に重要である.アルコール依存症や長期のアルコール摂取による肝障害の指標としても有用である.
3.ChE は肝機能や栄養状態の評価に利用される酵素である.肝硬変や肝細胞癌ではChEが低下し,代謝性疾患では上昇することがある.肝疾患や代謝性疾患の診断や管理において重要な指標である.

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