特別掲載
チアマゾール5mg隔日投与と2.5mg錠連日投与によるBasedow病治療―質量分析を用いた血中濃度の評価―
堀口 和彦
1
,
高橋 健太郎
1
1群馬大学医学部附属病院内分泌糖尿病内科
pp.1419-1421
発行日 2024年11月1日
Published Date 2024/11/1
DOI https://doi.org/10.34433/dt.0000001027
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背景
Basedow病の薬物治療には,チアマゾール(MMI),プロピルチオウラシル(PTU),無機ヨウ素の3種類が用いられている.MMIには催奇形性の副作用が報告されているが,重症肝機能障害,抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎などの重症の副作用はPTUのほうが発症頻度が高いため,妊娠初期を除いてはMMIが第一選択となっている1,2).このMMIは1940年代に開発されて以降,長らく5mg錠の1剤形しかなく,薬剤が固く半錠とするのは手間がかかるため,MMI 5mg 1錠分1の次の減量方法は5mg隔日内服が行われてきた1).2021年2月に新規格であるMMI 2.5mg錠が発売され,MMI 5mg 1錠分1の次の減量方法としてMMI 2.5mg 1錠分1という内服方法が選択可能となっている.しかし,まだMMI 2.5mg錠が発売されて間もないためMMI 5mg隔日内服とMMI 2.5mg毎日内服いずれに減量するのがよいのか,またMMI 5mgから2.5mgへ減量した際の甲状腺機能の変化など不明な点も多い.そこで,Basedow病におけるMMI 5mg,2.5mg内服時の血中濃度と甲状腺機能の関係や,MMI 2.5mg減量時の甲状腺機能の変化を検討した.
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