特集 ここが知りたいアルコール性肝疾患―お酒と肝臓の上手な付き合いかたとは?
ねらい
土屋 輝一郎
1
1筑波大学医学医療系消化器内科
pp.1061-1061
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.34433/dt.0000000933
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古くからお酒と肝臓は切っても切れない縁の深い関係であることはみなさんご存知のことと思う.以前からアルコール性肝障害やアルコール性肝硬変として存在していたが,これまではC型肝炎ウイルスによる慢性C型肝炎やC型肝硬変,肝細胞癌の罹患数が圧倒的に多い時代であり,厚生労働省において肝炎総合対策の推進として肝疾患診療連携拠点病院を設定するなど,C型肝炎ウイルス対策が肝疾患診療の中心であった.しかし,近年治療薬の発展によりC型肝炎ウイルスがほぼ完治するようになり,肝疾患診療は生活習慣による肝障害が着目されている.1つは非アルコール性脂肪肝炎(nonalcoholic steatohepatitis:NASH)であるが,もう1つは以前から変わらず存在しているアルコール性肝障害である.2024年(令和6年)2月に厚生労働省から「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」が公表され,節度ある適度な飲酒量は1日平均20gと設定されるなどアルコールに対する関心が高まっている.そのため,低アルコール飲料や減酒療法などアルコール摂取を低減させることが社会現象にまでなりつつある.
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